GHS分類結果

名称:酢酸メチル
CAS番号:79-20-9

結果:
物質ID: 735
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない物質。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点-10℃(<23℃)、沸点56.9℃(>35℃)による。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が455℃(ICSC(1997))の物質。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない物質。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素、塩素を含んでいない。酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50:>5000r/kg(DFGOTvol.18(2002))、6482mg/kg(EU-RAR(2003))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット LD50>5000mg/kg(DFGOTvol.18(2002))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - - ラットの吸入毒性試験において、16000ppm/4hで6/6生存、32000ppmで6/6死亡(DFGOTvol.18(2002))、及びラットのLC50>16170ppm/4h(EU-RAR(2003))の記載より区分外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データが無く分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ヒトに対しての塗布で刺激性なし(EU-RAR(2003)),(DFGOTvol.18(2002))、ウサギにおける試験で刺激性無し(EU-RAR(2003))の記載により区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ヒトに対する蒸気の暴露で眼刺激性があった(EU-RAR(2003))、ウサギの試験で強い刺激性(角膜、虹彩の刺激、結膜の発赤、浮腫、出血)が認められ、7日以内の回復性も観察された(EU-RAR(2003))との記載により区分2Bに分類した。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがなく分類できない。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - ボランティアによるMaximization試験で感作性は認められなかった(DFGOTvol.18(2002))(EU-RAR(2003))との記載により区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ラットの小核試験(赤血球)が陰性(EU-RAR(2003))との記載があり、技術上の指針に従って区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データが無く、IARC等の評価機関の報告もなく分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系)、区分3(気道刺激性) 警告
危険
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
H370: 臓器の障害(神経系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトに気道、咽頭の刺激性(PATTY(5th, 2002))、(DFGOTvol.18(2002))、(ACGIH(2001)),(EU-RAR(2003))、の記載により区分3(気道刺激性)とした。職業暴露を受けたヒトにめまい(giddiness, vertigo)、頭痛、不安定な歩行及び両目の視覚消失、視神経の萎縮、左目の暗点拡大、右目の視野狭窄、麻酔作用(EU-RAR(2003))の記載により区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。(動物試験での悪影響はガイダンス値より高い暴露濃度で見られた。)
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データが無く分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 藻類(緑藻)の72時間EC50>120mg/L(EU-RAR、2003)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=2.43×105mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る