GHS分類結果

名称:酸化亜鉛
CAS番号:1314-13-2

結果:
物質ID: 737
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性物質。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性物質。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性物質。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 実質的に水に不溶な物質なので「区分外」とした。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
14 酸化性固体 区分外 - - - - 高温度でマグネシウム、アルミニウムなど、よりイオン化傾向の高い金属と反応する(ICSC(2004)が、酸化性の定義には当てはまらない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体の試験方法が未確定。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットの経口LD50 : >5000 mg/kg(EU-RAR 43(2004))のデータから「区分外」とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - (GHS定義による)固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - 常温付近での蒸気圧は極めて低い。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分5 - 警告 H333: 吸入すると有害のおそれ P304+P312: 吸入した場合:気分が悪いときは、医師に連絡すること。 ラットで5.7mg/L以上というデータ(EU-RAR 43(2004))なので「区分5」とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ACGIH(2003)及び EU-RAR 43(2004)に引用されたウサギの実験で無刺激とされているので、「区分外」とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - EU-RAR(2004)に採録されている3件の報告は、2件が極めて軽度の刺激、1件が無刺激であり、EU-RAR(2004)も無刺激と判定しているので「区分外」とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - 呼吸器感作性はデータがないので分類できない。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - 皮膚感作性は EU-RAR(2004)の総合判定に従って「区分外」とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - In vivo の染色体異常試験の結果は陽性が疑わしく、In vitro の結果も陽性、陰性が分かれている。判定をするだけのデータがない。
6 発がん性 区分外 - - - - 米国EPAがグループDとしており、動物試験結果にも発がん性を示唆するものがないので「区分外」とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - EU-RAR(2004)の総合判定に従い「区分外」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(吸入:全身) 危険 H370: 臓器の障害(吸入:全身) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
微粉塵の吸入により金属フーム熱を起こすことが知られているので「区分1」とした。気道刺激性は認められていない(EU-RAR 43(2004))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(吸入:肺) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(吸入:肺) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモット、ラットへの反復吸入暴露で、肺への影響が見られているので「区分1」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 情報がなく、分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(セレナストラム)の72時間EC50=0.17mg/L(EHC221、2001)(酸化亜鉛濃度換算値:0.21mg/L)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=217(既存化学物質安全性点検データ))、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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