GHS分類結果

名称:酸化カルシウム
CAS番号:1305-78-8

結果:
物質ID: 739
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない物質。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性物質(Weiss(2nd, 1985))の記載より区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性物質(Weiss(2nd, 1985))の記載より区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性物質(Weiss(2nd, 1985))の記載より区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水と激しく反応するが、生成物は水酸化カルシウムで不燃性であるため区分外とした。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データがない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機物ではない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットのデータはなく、マウス LD50:3059mg/kg(RTECS(2004))のデータより区分5に分類した。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
皮膚に対して腐食性(ICSC(1997))、湿った皮膚に対して強い刺激性(very irritating)(ACGIH(2001))、及び国連分類クラス8、IIIであるため区分1Cに分類した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
眼に対して腐食性(ICSC(1997))の記載と、皮膚腐食/刺激性のGHS分類が区分1Cであることより、区分1に分類した。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがなく分類できない。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - ヒトの試験で陰性(IUCLID(2000))の記載より区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 酵母菌による有糸分裂組み換え試験で陰性、エームズ試験で陰性(IUCLID(2000))の記載あるが、in vivoのデータはなく、分類できないとした。
6 発がん性 分類できない - - - - データがなく、IARC等の評価機関の報告もなく分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットとマウスの1世代試験で影響なし(IUCLID(2000))の記載あるが、データ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系)、区分2(全身毒性、消化器) 警告
危険
H370: 臓器の障害(呼吸器系)
H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性、消化器)
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
粉塵吸入は気道の炎症(ACGIH(2001))、肺炎(HSDB(2005))を起こすとの記載より区分1(呼吸器系)に、誤飲すると脈が速く、弱くなり、呼吸が速く、浅くなり、体温が下がり、声門腫により呼吸をしにくくなりショック状態になる。食道、胃の穿孔も生じる(HSDB(2005))の記載あるが、Priority2であるため区分2(全身毒性、消化器)に分類した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
鼻中隔の潰瘍、穿孔(ACGIH(2001))、(ICSC(1997))の記載より区分1(呼吸器系)に分類した。
10 吸引性呼吸器有害性 区分1 危険 H304: 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P331: 無理に吐かせないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで吸引性肺炎が報告された(HSDB(2005))の記載より区分1に分類した。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 魚類(コイ)の96時間LC50=1070mg/L(IUCLID、2000)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1200mg/L(HSDB、2004))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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