GHS分類結果

名称:1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン
CAS番号:118-52-5

結果:
物質ID: 773
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 分子内に爆発性に関わる原子団を含んでいるが、火薬としての用途はない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - 引火点が174℃だが、試験結果がないので分類できない。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 爆発性に関わる原子団をふくみ、かつ自己加速分解するが、国連勧告にリストされていないので分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 引火点が174℃で、常温では発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体であり試験法が適用できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, C, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 塩素を含み窒素と結合しているので分類対象外とはならない。しかし試験データがないので分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 融点が55℃以上の固体であり、試験法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットの経口投与LD50:542±84mg/kg(ACGIH(2001))の値により区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギの経皮投与でLD50>20g/kg(RTECS(2004))は 5000mg/kg(経皮 2000mg/kg(区分4)*2.5)を超えているので区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 蒸気のデータがない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分5 - 警告 H333: 吸入すると有害のおそれ P304+P312: 吸入した場合:気分が悪いときは、医師に連絡すること。 ラット1時間暴露試験:20g/m3(4時間換算値:5mg/L(区分4の上限値))(RTECS(2004))で死亡が見られているので区分5とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギの皮膚にsevere(RTECS(2004))というデータがあるが、不可逆的影響の情報がないので区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 哺乳類でのin vivoのデータがないので分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データ及び評価機関の情報がない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの症例で咳と胸の不快感(ACGIH(2001))がみられるので区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラット経口で634kg/kg/30D-I(30日断続的投与)で中枢神経系(CNS)の症状が出ている(RTECS(2004))。これはガイダンス値を超えているので採用できない。そのほかのデータがないので分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 化学性肺炎の情報がない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.47ppm(AQUIRE、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-0.94(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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