GHS分類結果

名称:ジベンゾイルペルオキシド
CAS番号:94-36-0

結果:
物質ID: 794
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 国連分類 クラス5.2(UN No.3102, 3104, 3106, 3107, 3108, 3109)に分類されているので、区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 国連分類 クラス5.2(UN No.3102, 3104, 3106, 3107, 3108, 3109)に分類されているので、区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 有機過酸化物の項で分類されている。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 発火点が80℃(ICSCJ,2002))である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が103℃-105℃(ICSCJ,2002)と140℃以下であるので、GHSが指定する試験を適用できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含むが、酸素は、炭素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 タイプB、タイプC、タイプD、タイプE、タイプF 危険 H241: 熱すると火災又は爆発のおそれ P411+P235: ...℃以下の温度で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。
P234: 他の容器に移し替えないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P410: 日光から遮断すること。
P420: 他の物質から離して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
製品中の含有量等(国連危険物輸送勧告の項を参照)により、タイプB-Fに細分される。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体に適した試験方法が確立されていない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50=7710mg/kg(SIDS(2002))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 情報なし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットLC50>19.0mg/L(SIDS,2002)に基づき、区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 「軽度の刺激性」または「刺激性なし」のデータがあり、結論「極く軽度の皮膚刺激性物質」としているSIDS(2002)ので、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギにばく露後、24, 48, 72時間後に刺激性が認められる(SIDS,(2002))が、試験または試験方法によって刺激性の程度に差が有る。よって区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データが無いので、分類できない。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトのマキシマイゼーション試験結果、および職業ばく露による疫学的研究で皮膚感作性が確認されている(SIDS,2002)、また、日本職業・環境アレルギー学会リストに皮膚感作性物質として掲載されている。よって区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスによる優性致死試験及びマウス赤血球を用いる小核試験でネガティブ(SIDS,2002)であることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - IARCではクラス3に分類しているので、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - 雄ラットの生殖器官の重量低下、変性影響があるが、大量(1000mg/kg/day)反復投与による一般毒性としての臓器障害が雄の生殖器にみられたと考えるべきであり、生殖毒性に関する項目(交尾率や雌ラットにおける妊娠率など)には変化がみられていない。また母体毒性が無い状態で、生長阻害仔(runt)の高率出生、仔の体重増加の有意な低下が認められている(SIDS,2002)が、その毒性学的意義は低い。よって区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの鼻、のどへの刺激性ありの情報(ACGIH,2001)から、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため、分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.07mg/L(SIDS、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急速分解性があり(BODによる分解度:84%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=3.46(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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