GHS分類結果

名称:石油ナフサ
CAS番号:L-5

結果:
物質ID: 820
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - データなし。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
6 引火性液体 区分1 危険 H224: 極めて引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点-6.7℃(< 23℃)(Renzo(3rd, 1986))、沸点30℃(<=35℃)(IUCLID(2000))に基づいて区分1とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - データなし。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点232℃(>70℃)(Renzo(3rd, 1986))に基づき区分外とした。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体の試験法がない。
12 水反応可燃性化学品 分類できない - - - - データなし。
13 酸化性液体 分類できない - - - - データなし。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
15 有機過酸化物 分類できない - - - - データなし。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50 > 7g/kg(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットLD50>2000mg/kgで死亡例なし(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 常温で液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラットLC50=3400ppm(ACGIH(2001))に基づき区分4とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ドレイズ試験(GLP)によりウサギ皮膚に対してmoderately irritating(IUCLID(2000))に基づき区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ドレイズ試験(GLP)によりウサギ眼に対して刺激性なし(IUCLID(2000))の記載により区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたBuehler試験(GLP)により皮膚感作性なし(IUCLID(2000))の記載に基づき区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ラット骨随細胞を用いたin vivo染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(IUCLID(2000))の記載に基づき区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - EU分類しかないので技術指針に従い分類できないとした。 【注記】石油ナフサ(CAS No. 64741-42-0(full-range straight run), CAS No.8030-30-6(Naphtha(Petroleum))に対してEU分類ではCat. 2;R45(May cause cancer)(EU(2006))としている。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの上気道を刺激する(ACGIH(2001))の記載により区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 石油ナフサを用いた長期反復暴露試験報告が調査した範囲では見られないので情報不足により分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 区分1 危険 H304: 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P331: 無理に吐かせないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
実験で使用されたすべての動物種において少量の石油系溶媒(石油ナフサ)が気道に入ると、化学性肺炎を起こす(EHC(1982))の記載、およびEU分類でXn;R65(Harmful: may cause lung damage if swallowed)に基づき区分1とした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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