名称:N-(1,1,2,2-テトラクロロエチルチオ)-1,2,3,6-テトラヒドロフタルイミド【キャプタフォル】
CAS番号:2425-06-1
物質ID: | 835 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、塩素を含むが、炭素・水素以外と結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットLD50値:2500-6200mg/kg(JMPR(1969), PIM 097(1990), IARC 53(1991))、5000mg/kg(JMPR, 1969)および80%Wettable Powderについて2500-6200mg/kg(AI換算:2000-4960mg/kg)との記述より、統計計算した。計算値は3067mg/kgであることに基づき区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50値:15400mg/kg(IARC 53(1991))および80%Wettable powderについて>15400mg/kg(AI換算:>12321mg/kg)との記述に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ACGIH(7th, 2001)のウサギの皮膚に対して中等度の刺激性があるとの記述、およびPIM 097(1990)およびACGIH(7th, 2001)の、熊本その他の国内およびニュージーランドでのキャプタフォルを扱った農業および林業従事者に、刺激性およびアレルギー性の接触皮膚炎発症例が多数報告されているとの記述により、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ACGIH(7th, 2001)のウサギの眼に適用した試験で、角膜の混濁、虹彩および結膜への刺激性反応が適用後21日まで持続したとの記述(PIM(2005))、およびヒトでの職業暴露により、結膜炎およびまぶたの浮腫を起こすとの報告があるとの記述(PIM 097(1990))に基づき、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
PATTY(4th, 1994)およびACGIH(7th, 2001)の「キャプタフォルはヒトで皮膚感作性および呼吸器感作性がある」との記述に基づき、区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
PIM 097(1990)、IARC 53(1991)、PATTY(4th, 1994)およびACGIH(7th, 2001)の日本の農業従事者、ニュージーランドの林業従事者、化学メーカ実験室の研究者に多数の皮膚感作性および光アレルギー反応が認められたとの記述、およびPATTY(4th, 1994)およびACGIH(7th, 2001)の「キャプタフォルはヒトで皮膚感作性および呼吸器感作性がある」との記述に基づき、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
生殖細胞を用いるin vivo 経世代変異原性試験であるマウスを用いた優性致死試験では陰性であった(JMPR(1997)およびIARC 53(1991))が、ラットを用いた優性致死試験では腹腔内投与および経口投与のいずれも弱い陽性である(IARC 53(1991))ことから、区分1Bとした。 なお、体細胞を用いたin vitro変異原性試験である染色体異常試験、小核試験などでは、代謝活性化系を加えない試験系で陽性である(IARC 53(1991))。 | |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ACGIH(7th, 2001)ではA4に分類されているが、IARC 53(1991)で2A、EU(評価年不明)でカテゴリー2に分類されていることから、IARCの評価を優先させて区分1Bとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットでの催奇形性試験では、母獣に影響が認められる用量においても胎児に奇形ならびに毒性が認められず、ラットでの二世代繁殖試験では母獣に影響が認められる用量で、胎児には最小限の影響のみが認められていることから、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(腎臓、膀胱)、区分2(肝臓) |
危険 警告 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓、膀胱) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
イヌの12か月間経口投与試験では区分1のガイダンス値範囲の用量から腎臓および膀胱の移行上皮細胞に変性が認められたとの記述(IRIS, 1987年評価)およびラットでの2年間混餌投与による慢性毒性試験で、区分2のガイダンス値範囲の用量から肝臓の肝細胞および腎臓の尿細管に変性などの組織傷害が認められたとの記述(JMPR, 1977; IRIS, 1987評価, PATTY,4th, 1994)から、区分1(腎臓、膀胱)、区分2(肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50=20.6μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=3.8(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
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