GHS分類結果

名称:1,1,2,2-テトラブロモエタン
CAS番号:79-27-6

結果:
物質ID: 843
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点>93℃
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が335℃である。(ホンメル(1991)Card No.215)
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属原子を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内に酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口LD50:924mg/kg(厚労省報告(2005))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮LD50:5250mg/kg(RTECS(2005)、HSDB(2005))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット4時間吸入LC50:0.549mg/L(38.9ppm)(RTECS(2005)、HSDB(2005))に基づき、この濃度では蒸気圧から蒸気と判断できることから、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ICSC(J)(1995)、HSDB(2005)、SITTIG(47th, 2002)、DHP(13th, 2002)のヒトの皮膚を刺激するとの記述、およびPATTY(4th, 1994)のウサギで数時間の閉塞適用により24時間以内に浮腫と水疱がみられたとの記述から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ICSC(J)(1995)、HSDB(2005)、SITTIG(47th, 2002)、DHP(13th, 2002)のヒトの眼を刺激するとの記述、およびRTECS(2005)、HSDB(2005)のウサギで眼に軽度な刺激性がみられたとの記述から、区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 生殖細胞および体細胞を用いるin vivoでの変異原性および遺伝毒性試験のデータはなく、in vitro変異原性試験では陰性のデータのみであるため、分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)、区分3(気道刺激性) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
HSDB(2005)のヒト急性暴露例の中枢神経系機能検査で溶媒誘発性脳疾患と同じ障害が強く示唆されるとの記述、および、厚労省報告(2005)のラット単回経口投与試験ならびにPATTY(4th, 1994)のラット単回ミスト吸入試験では区分2相当の投与量で中枢神経症状が発現したとの記述から、特定標的臓器は中枢神経系と判断され、区分2とした。 ICSC(J)(1995)、SITTIG(47th, 2002)、DHP(13th, 2002)の気道を刺激するとの記述から、気道刺激性があると判断し、区分3とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、肺)、区分2(甲状腺) 警告
危険
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、肺)
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(甲状腺)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
厚労省報告(2005)のラットへの28日間経口投与試験で20mg/kg/dayより肝臓、60mg/kg/dayより甲状腺に影響がみられたこと、PATTY(4th, 1994)のラットへの100-106日間吸入暴露試験で14ppm蒸気の7時間/日暴露により肝臓、肺に影響がみられたとの記述から、区分1(肝臓、肺)および区分2(甲状腺)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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