名称:1,2,3-トリクロロプロパン
CAS番号:96-18-4
物質ID: | 859 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
60℃<引火点≦93℃ |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が304℃である。(ICSC(J)(2002)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素またはフッ素を含んでいない。塩素を含むが、この塩素は炭素、 水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:150mg/kg(CICAD 56, 2003、DFGOT vol.9, 1998、ATSDR, 1992)、500mg/kg(CICAD 56, 2003)、444mg/kg(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.9, 1998、NTP TR384, 1993、ATSDR, 1992)、505mg/kg(ACGIH 7th, 2001)、205mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、170mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、150mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、442mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、250mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、320mg/kg(IARC 63, 1995)に基づき、計算を適用した。計算値は253mg/kgであったことから、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値:384mg/kg(CICAD 56, 2003)、2457mg/kg(CICAD 56, 2003、ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.9, 1998、NTP TR384, 1993)、900mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、850mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、850mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、516mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)、250mg/kg(DFGOT vol.9, 1998)に基づき、計算を適用した結果、計算値は352mg/kgであった。ラットLD50値は836mg/kg(CICAD 56, 2003、DFGOT vol.9, 1998、ATSDR, 1992)であることから、小さい方の値を採用し、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50(4時間)値:約3mg/L(CICAD 56, 2003)に基づき、蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気であるためppm濃度基準値により分類した。3mg/Lは換算係数(1ppm=6.03mg/m3)を用いて498ppmと換算されることから、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIH(7th, 2001)のウサギの皮膚を刺激しないとの記述、ならびにCICAD 56(2003)のウサギの皮膚に4時間適用した試験において刺激性が認められなかったとの記述から、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
CICAD 56(2003)、DFGOT(vol.9, 1998)にはウサギの眼に適用した試験において軽度な刺激性または7日以内に回復する眼の変化が認められたとの記述があるが、CICAD 56(2003)およびACGIH(7th, 2001)にはウサギの眼に中等度または強度刺激性であるとの記述もあることから、細区分できず、区分2A-2Bとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | CICAD 56(2003)、DFGOT(vol.9, 1998)、ATSDR(1992)のモルモットを用いたBuehler testにおいて感作性は認められなかったとの記述から、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 生殖細胞を用いるin vivo経世代変異原性試験であるラットを用いた優性致死試験で陰性の結果(CICAD 56, 2003、ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.9, 1998、IARC 63, 1995、NTP TR384, 1993、ATSDR, 1992)があることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ACGIHでA3(ACGIH(7th, 2001))に分類されているが、IARCでグループ2A(IARC 63, 1995)、日本産業衛生学会で2A(産衛学会勧告, 2005)、NTPでR(NTP RoC 11th, 2005)、EUでカテゴリー2(EU-Annex I, 2005)に分類されていることから、IARCおよび最新の評価(NTP、2005)を含む評価に基づき区分1Bとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC 63(1995)、NTP DB(2005)、CICAD 56(2003)のマウスを用いた経口投与による1世代繁殖性試験において親動物に一般毒性が認められない用量で雌の生殖能低下が認められたとの記述から、区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓)、区分2(副腎)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
危険 警告 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H371: 臓器の障害のおそれ(副腎) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H370: 臓器の障害(肝臓) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CICAD 56(2003)、ACGIH(7th, 2001)、NTP TR384(1993)のラットを用いた吸入暴露試験において肝障害を示す影響が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述から、区分1(肝臓)とした。ACGIH(7th, 2001)、NTP TR384(1993)のラットおよびモルモットを用いた吸入暴露試験において副腎への影響が区分2のガイダンス値範囲の暴露で認められたとの記述から、区分2(副腎)とした。また、ACGIH(7th, 2001)、NTP TR384(1993)のラットおよびモルモットを用いた吸入暴露試験において麻酔作用が認められたとの記述、ACGIH(7th, 2001)のラットおよびマウスを用いた吸入暴露試験において気道刺激性が認められたとの記述、ならびにCICAD 56(2003)、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT(vol.9, 1998)、IARC 63(1995)およびATSDR(1992)のヒト暴露例で喉に刺激性が認められたとの記述から、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、呼吸器、血液)、区分2(腎臓、心臓) |
警告 危険 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓、心臓) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、呼吸器、血液) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CICAD 56(2003)、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT(vol.9, 1998)、IARC 63(1995)、NTP TR384(1993)およびATSDR(1992)のラットを用いた13週間吸入暴露試験において肝臓および血液への影響ならびに貧血を示唆する影響が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述から、区分1(肝臓、呼吸器、血液)とした。また、CICAD 56(2003)、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT(vol.9, 1998)、IARC 63(1995)、NTP TR384(1993)、IRIS(2005)およびATSDR(1992)のラットを用いた13週間飲水投与試験または17週間強制経口投与試験において腎臓への影響が、区分2のガイダンス値範囲の用量で認められたとの記述、さらにCICAD 56(2003)、DFGOT(vol.9, 1998)およびIARC 63(1995)のラットを用いた90日間強制経口投与試験において心筋への影響が区分2のガイダンス値範囲の用量で認められたとの記述から、区分2(腎臓、心臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=4.1mg/L(CICAD56、2003)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(BCF=13(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分2とした。 |
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