GHS分類結果

名称:二酸化窒素
CAS番号:10102-44-0

結果:
物質ID: 874
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 不燃性である。(ICSC(J)(1997))
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分1 危険 H270: 発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質 P370+P376: 火災の場合:安全に対処できるならば漏洩を止めること。
P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。
P244: 減圧バルブにはグリース及び油を使用しないこと。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
UNRTDG クラス2.3 副次危険5.1に分類されている。
5 高圧ガス 液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 -50℃を超える温度で部分的に液体である。(臨界温度が-50℃超)
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 湿潤時に鋼を侵すとの情報があるが(HSDB(Access on Sep 2005))、気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体である。
1 急性毒性(経皮) 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体である。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50(4時間)値:88ppm(RTECS, 2005、HSDB, 2005)、ラットLC50(1時間)値:0.22mg/L(4時間換算値58ppm)(RTECS, 2005)に基づき、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体である。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ICSC(J)(1997)およびHSFS(2000)の皮膚を刺激するとの記述から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ICSC(J)(1997)およびHSFS(2000)の眼を刺激するとの記述から、区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 生殖細胞を用いるin vivo変異原性試験であるマウス精原細胞を用いた染色体異常試験で陰性の結果(EHC 188, 1997)、体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるマウス末梢リンパ球を用いた染色体異常試験およびマウス赤血球を用いた小核試験で陰性の結果(EHC 188, 1997)があることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIH(7th, 2001)でA4に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
EHC 188(1997)のラットを用いた妊娠中吸入暴露試験において母動物に一般毒性が認められる用量で明確な生殖毒性(着床後死亡の増加)が認められたとの記述から、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(肺) 危険 H370: 臓器の障害(肺) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)およびEHC 188(1997)のヒト暴露例において肺機能への影響および肺水腫が認められたとの記述から、区分1(肺)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肺、免疫系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肺、免疫系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)、EHC 188(1997)およびPATTY(4th, 1994)のヒトで長期暴露により肺疾患を起こすとの記述、EHC 188(1997)およびPATTY(4th, 1994)のヒトで感染に対する抵抗力が低下するとの記述、ACGIH(7th, 2001)、EHC 188(1997)およびPATTY(4th, 1994)の反復吸入暴露により実験動物で肺への影響および免疫力低下が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述から、区分1(肺、免疫系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体である。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(アカオエビ)の96時間LC50=38520μg/L(AQUIRE、2003)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 水溶液が酸性となることが毒性の要因と考えられるが、環境水中では緩衝作用により毒性影響が緩和されるため、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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