GHS分類結果

名称:ビス(2,3-エポキシプロピル)エーテル
CAS番号:2238-07-5

結果:
物質ID: 898
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 H227: 可燃性液体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
60℃<引火点≦93℃
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - データなし。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内にフッ素または塩素を含んでいない。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:450mg/kg(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)および510mg/kg(PATTY 4th, 1994)に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険 H311: 皮膚に接触すると有毒 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:1000mg/kg(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)、ウサギLD50値:1500mg/kg(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)の基づき、小さい方の値を採用し、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50(8時間)値:68ppm(4時間換算値 0.51mg/L)(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)に基づき、0.51mg/Lは蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断し、ppm濃度基準値で分類した。換算係数(1ppm=5.32mg/m3)から0.51mg/Lは96ppmと換算され、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラットLC50(4時間)値:200ppm(換算値1.06mg/L)(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)に基づき、区分4とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ACGIH(7th, 2001)のウサギを用いた試験で紅斑、浮腫および痂皮が生じる重度の刺激性が認められたとの記述、およびPATTY(4th, 1994)のウサギの皮膚に単回適用したところ重度の刺激性と化学熱傷が認められたとの記述から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)の動物の眼に適用した試験において重度の刺激性が認められたとの記述から、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)のモルモットを用いた試験において強い皮膚感作性が認められたとの記述があるが、試験法が明確でなく、データ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitro試験のデータしかないため分類できない。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIH(7th, 2001)でA4に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ACGIH(7th, 2001)のラットを用いた反復吸入暴露試験およびウサギを用いた24時間吸入暴露試験で精巣への影響が認められているが、生殖能を検討した試験のデータはなく、データ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(精巣、呼吸器、肝臓、腎臓、副腎) 危険 H370: 臓器の障害(精巣、呼吸器、肝臓、腎臓、副腎) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
PATTY(4th, 1994)のラットを用いた吸入暴露試験において呼吸困難、肝臓、腎臓、副腎の変化が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述、ならびにACGIH(7th, 2001)のウサギを用いた吸入暴露試験で精巣の萎縮が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述から、区分1(精巣、呼吸器、肝臓、腎臓、副腎)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(精巣、血液)、区分2(眼、免疫系、腎臓、副腎) 警告
危険
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(眼、免疫系、腎臓、副腎)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(精巣、血液)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)のラットを用いた吸入暴露試験で精巣および血液への影響が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述、PATTY(4th, 1994)のラットを用いた経皮投与試験において角膜混濁、ならびに胸腺、リンパ、腎臓、精巣および副腎への影響が区分2のガイダンス値範囲の投与量で、血液への影響が区分1のガイダンス値範囲の投与量で認められたとの記述から、区分1(精巣、血液)、区分2(眼、免疫系、腎臓、副腎)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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