GHS分類結果

名称:メチル-ノルマル-ペンチルケトン【2-ヘプタノン】
CAS番号:110-43-0

結果:
物質ID: 985
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
23℃≦引火点≦60℃ UNRTDG クラス3 PGIIIに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が393℃である。(ICSC(J)(1996))
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内にフッ素または塩素を含んでいない。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス3に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:1670mg/kg(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)、2407mg/kg(PATTY 4th, 1994)、approximately 1600mg/kg(PATTY 4th, 1994)に基づき、計算を適用した。計算値はこれらのデータの最低値より小さいため、最低値の1600mg/kgを採用し、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50値:12.6mL/kg(PATTY 4th, 1994)(換算値10300mg/kg)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - PATTY(4th, 1994)のラットを用いた吸入暴露試験において2000ppm(蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気)の4時間暴露で死亡が認められず、4000ppm(蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気)で6例全例が死亡したとの記述から、ppm濃度基準値より、区分3または区分4のいずれかと考えられるものの特定できないことから、分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - PATTY(4th, 1994)にラットを用いた吸入暴露試験において5100ppm(換算値23.8mg/L)では4時間以内に3例全例が死亡したとの記述があるが、他にデータがなく、区分を特定するにはデータ不足のため分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)のウサギの皮膚に24時間適用した試験において中等度の刺激性が認められたとの記述から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ECETOC TR48(1992)のウサギを用いた眼刺激性試験においては刺激性の基準に該当する眼の変化は認められなかったが、PATTY(4th, 1994)のウサギの眼に軽度の刺激性が認められたとの記述から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - PATTY(4th, 1994)にヒトを対象とした皮膚感作性試験において、陽性反応は認められなかったとの記述があるが、検査対象は26例と小規模の試験であり、他にデータがないことから、区分外とするにはデータ不足と考え、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性、麻酔作用) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(気道刺激性、麻酔作用)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性、麻酔作用)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)のモルモットを用いた吸入暴露試験で気道刺激性および麻酔作用が認められたとの記述、PATTY(4th, 1994)のラットを用いた吸入暴露試験において気道刺激性および麻酔作用(神経系への影響を示唆する症状)が認められたとの記述から、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - ACGIH(7th, 2001)およびPATTY(4th, 1994)のラットを用いた9ヶ月間吸入暴露試験において区分2のガイダンス値範囲を超える濃度でも影響が認められなかったとの記述、ならびにPATTY(4th, 1994)のラットを用いた反復経口投与試験において区分2のガイダンス値範囲を超える用量でも影響が認められなかったとの記述から、区分外とした。
10 吸引性呼吸器有害性 区分2 警告 H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P331: 無理に吐かせないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
13を超えない炭素原子で構成されたケトンであることから、区分2とした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=131mg/L(HSDB、2004)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=4300mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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