名称:六塩化ブタジエン
CAS番号:87-68-3
物質ID: | 1012 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない[但し、区分4または区分外] | - | 警告 | H227: 可燃性液体 | - | 資料から得られるデータは乖離している。よって、実試料について引火点および初留点(沸点で代用可)を測定しなければ判定できない。尚、判定基準は以下の通りである。 区分4 ; 60℃<引火点≦93℃ 区分外 ; 引火点>93℃ |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス6.1に分類されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が610℃である。(ICSC(J)(1997)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素またはフッ素を含んでいない。塩素を含むが、この塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス6.1に分類されている。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値 350 mg/kg(EHC 155, 1994; ACGIH 7th. 2001; PATTY 4th., 1994)、250 mg/kg(EHC 155, 1994; IARC 20, 1979)、200 mg/kg, 46 mg/kg(いずれもEHC 155, 1994; PATTY 4th., 1994; ATSDR, 1994)、200 mg/kg(EHC 155, 1994; PATTY 4th., 1994)に基づき、計算式を適用した。計算したLD50値:128 mg/kgに基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値: 1120 mg/kg(EHC 156, 1994; ATSDR, 1994)に基づき、区分4ととした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類できない | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスLC50値(6時間):0.107mg/L(4時間換算値: 0.131 mg/L(約12.3ppm)(EHC 156, 1994)に基づき、蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断し、ppm濃度基準値を適用して、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いた試験{EHC 156(1994)}で陽性率100%であるとの記述に基づき、皮膚感作性があると判断し、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
生殖細胞を用いる経世代変異原性試験であるラットを用いた優性致死試験では陰性である(ATSDR, 1994)が、体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるマウス骨髄細胞を用いる染色体異常試験では経口投与、吸入暴露とも陽性であり(EHC, 156, 1994)、生殖細胞in vivo試験がないことから、区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(73, 1999)ではグループ3、EPA(IRIS, 1991評価)ではC、ACGIH(7th. 2001)ではA3に分類しており、最近の評価であるACGIHの分類に基づき、区分2とする。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの周産期投与試験(妊娠17日から分娩後10日まで混餌投与)で、母獣に腎毒性などが認められる用量で胎仔にも腎毒性が認められていること(NTP DB, 2006)から、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(腎臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(腎臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスへの吸入暴露試験で、4時間暴露により腎尿細管の変性が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述(EHC 156, 1994; ATSDR, 1994)、およびウサギへの経皮投与試験で非致死量の388 mg/kg投与により腎尿細管の壊死が認められたとの記述(EHC 156, 1994; ATSDR, 1994)から、区分1(腎臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、腎臓、骨髄) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、腎臓、骨髄) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットでの3週間〜2年間の経口投与により、区分1のガイダンス値範囲の用量で腎臓の近位尿細管に変性、壊死、組織再生が認められた(EHC 156, 1994, ACGIH 7th. 2001), PATTY(4th.(1994), NTP DB(2006), ATSDR(1994)ほか、マウスでの2週間〜3か月間経口投与試験でも同様の障害が認められた(PATTY 4th. 1994)との記述、およびラットおよびマウスに混餌投与した試験で区分1のガイダンス値範囲内の用量で肝臓に細胞の膨化、好塩基性顆粒の集簇、壊死、血清GPT活性の上昇が認められ、また、マウスへの2週間の混餌投与試験では、骨髄の造血細胞減少が区分1のガイダンス値範囲で認められた(EHC 156, 1994, ACGIH 7th. 2001), PATTY(4th.(1994), NTP DB(2006), ATSDR(1994)との記述に基づき、区分1(肝臓、腎臓、骨髄)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=32μg/L(CaPSAR、2001)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、急速分解性がなく(BODによる分解度:24%(既存化学物質安全性点検データ))、生物蓄積性がある(BCF=9240(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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