GHS分類結果

名称:シアン化白金バリウム
CAS番号:562-81-2

結果:
物質ID: 1042
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 組成的に不燃性と考えられ、区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 組成的に不燃性と考えられ、区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 組成的に不燃性と考えられ、区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(本物質の四水和物は水溶解度の数値が得られている。)
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素またはハロゲンを含んでいない無機化合物。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 本物質のデータはないが、ACGIH-TLV(2006)では水溶性バリウム化合物は皮膚刺激性を示すとされている。バリウム(EHC(J), 107, 1990)およびシアン化物(CICAD(J), 61, 2004)はいずれも軽度の皮膚刺激性を示すとの記述があることから、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
本物質のデータはないが、ACGIH-TLV(2006)では水溶性バリウム化合物は眼刺激性を示すとされている。バリウム(EHC(J), 107, 1990)は激しい眼刺激性、シアン化物(CICAD(J), 61, 2004)は軽度の眼刺激性、白金化合物(EHC(J), 125, 1991)は眼刺作用を示すとの記述があり、以上の情報からは細分化は困難であることから、区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 区分1 危険 H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、水溶性白金塩は産衛学会勧告(2005)では1に分類されており、白金は日本職業・環境アレルギー学会により気道感作性物質とされていることから、区分1とした。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、水溶性白金塩は産衛学会勧告(2005)では1に分類されており、白金は日本職業・環境アレルギー学会により皮膚感作性物質とされていることから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。なお、CICAD(J)61(2004)およびPIM G003(WHO/ICPS, 1997)ではシアン化物には変異原性がないとされている。
6 発がん性 分類できない - - - - 本物質のデータはなく、水溶性バリウム化合物(ACGIH-TLV, 2006)は区分外相当(A4)であるが、白金塩類の発がん性評価は十分されておらず(EHC(J), 125, 1991)、データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 本物質のデータはなく、CICAD(J)61(2004)には「シアン化物は明らかに母獣に毒性がある投与量または濃度でのみ発生に対する有害な影響を誘起する」との記述があるものの、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(心血管系、呼吸器系、中枢神経系、骨格筋) 危険 H370: 臓器の障害(心血管系、呼吸器系、中枢神経系、骨格筋) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、急性毒性の標的臓器としてシアン化物(CICAD(J), 61, 2004)では心血管系、呼吸器系、中枢神経系、水溶性バリウム化合物(CICAD(J), 33, 2001)では心血管系、骨格筋(低カリウム血症の影響と考えられる)があげられており、いずれもPriority 1文書のため、区分1(心血管系、呼吸器系、中枢神経系、骨格筋)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 1文書のCICAD(J)61(2004)にはシアン化物の反復暴露は中枢神経系に影響を与えるとの記述があり、区分1(中枢神経系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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