GHS分類結果

名称:フッ化セレン(VI)
CAS番号:7783-79-1

結果:
物質ID: 1062
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 2000)。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - 物質固有の国連番号(2194)によりUNRTDGが2.3(8)に分類されており、Subsidiary riskに5.1が付されていないため、区分外とした。
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 三重点が-34.6℃(Lide, 85th, 2004)、臨界温度が72.35℃(HSDB, 2003)であることから、液化ガス(低圧液化ガス)とした。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 物質固有の国連番号(2194)によりUNRTDGのSubsidiary riskに8が付されているが、気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
LC50のデータがないため、RTECS(2004)のラットのLCLo=5ppm/4H(換算値)にて評価し、区分1とした。なお、ラット、マウス、モルモット、ウサギの4種いずれにおいても10ppm/4H暴露が致死的であったことも(HSDB, 2003)、区分1の分類を支持する。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
Priority 2文書のICSC(J)(2002)、HSDB(2003)、HSFS(2001)にヒトでの皮膚刺激性を示す記述があり、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
Priority 2文書のICSC(J)(2000)およびSITTIG(4th, 2002)に眼に対する腐食性を示す記述があり、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - SITTIG(4th, 2002)に皮膚感作性の可能性を示す記述があるが、裏付けとなるデータがなく、データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 区分外 - - - - フッ化物としてACGIH-TLV(2004)はA4、セレン化合物としてIRIS(1993)はD、IARC9(1975)はGroup 3と分類しており、区分外とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。 (MAK/BAT(2004)ではフッ化物としても無機セレン化合物としてもCに分類しており、生殖毒性の恐れはないとしている。)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(吸入:呼吸器系) 危険 H370: 臓器の障害(吸入:呼吸器系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1文書のPATTY(5th, 2001)に4種の動物(ウサギ、モルモット、ラット、マウス)の吸入暴露試験において5ppm/4時間で肺水腫を起こしたとの記載があり、ガイダンス値との比較では区分1の範囲内であった。Priority 2文書のICSC(J)(2000)、SITTIG(4th, 2002)、HSFS(2001)にもヒトにおいて気道腐食性があり、肺水腫等を起こすとの記載があった。以上から区分1(吸入:呼吸器系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(骨) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1文書のACGIH-TLV(2004)にフッ化物として骨への影響(フッ素症)があるとしており、区分1(骨)とした。なお、Priority 2文書のSITTIG(4th, 2002)には中枢神経系、肝臓、腎臓への影響、HSFS(2001)には呼吸器系への影響の記載があるが、いずれも裏付けとなるデータがなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガス。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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