GHS分類結果

名称:亜ヒ酸カルシウム
CAS番号:27152-57-4

結果:
物質ID: 1087
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - ヒ酸カルシウムとの混合物としての国連番号(1574)で6.1、IIに分類されており、4.1が付されていないため、区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - ヒ酸カルシウムとの混合物としての国連番号(1574)で6.1、IIに分類されており、4.2が付されていないため、区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - ヒ酸カルシウムとの混合物としての国連番号(1574)で6.1、IIに分類されており、4.2が付されていないため、区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - ヒ酸カルシウムとの混合物としての国連番号(1574)で6.1、IIに分類されており、4.3が付されていないため、区分外とした。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
14 酸化性固体 区分外 - - - - ヒ酸カルシウムとの混合物としての国連番号(1574)で6.1、IIに分類されており、5.1が付されていないため、区分外とした。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分1 危険 H300: 飲み込むと生命に危険 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウス経口LD50値1mg/kg(RTECS, 2004)による。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 無機ヒ素化合物として刺激性を示すとの記述(PIM 042, 1996; DFGOT vol.21, 2005)から、軽度刺激性を有するものと判断し、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
無機ヒ素化合物(の粉塵)は眼刺激性を示すとの記述(HSG 70, 1992; PIM 042, 1996)より、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 無機ヒ素化合物としてヒトに皮膚感作性を示す可能性がある(ATSDR, 2005; PIM 42, 1996)としているが確定的な結論ではないこと、加えて、EHC 224(2001)のヒトにおける記述”無機ヒ素の皮膚感作性の発現はまれである”、無機ヒ素化合物としてモルモット試験(maximization test)での陰性報告があることから(ATSDR, 2005; EHC 224, 2001)、データ不足により分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、無機ヒ素化合物として、ヒト(末梢血)あるいはげっ歯類(骨髄)に染色体異常あるいは小核を誘発すること(DFGOT vol.21, 2005; EHC 224, 2001; PATTY 5th, 2001; IARC Suppl.7, 1987; IARC 84, 2004; ATSDR draft, 2005)から、区分2とした。なお、無機ヒ素化合物(As+3)は、優性致死試験およびマウス精原細胞染色体異常試験で陰性であった(ATSDR draft, 2005)。
6 発がん性 区分1A 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身の知見は認められないが、IARC(IARC Suppl.7, 1987; IARC 84, 2004), ACGIH(ACGIH, 7th, 2001), DFG(MAK/BAT, 2005), NTP(NTP RoC 11th, 2005)において無機ヒ素化合物をヒト発癌物質と分類していることから、区分1Aとした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、ACGIH(7th, 2001), ATSDR(draft, 2005), EHC 224(2001), DFGOT vol.21(2005)において、相反する報告はあるものの、実験動物に対し無機ヒ素化合物による生殖発生毒性の知見が示されていることから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(消化器、心血管系、腎臓、神経系)、区分3(気道刺激性) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(消化器、心血管系、腎臓、神経系)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、無機ヒ素化合物として消化器、心血管系、腎臓、肝臓および神経系への影響(EHC 224, 2001; HSG 70, 1992)、また気道刺激性(HSG 70, 1992; PIM 042, 1996)があるとしていることから区分2(消化器、心血管系、腎臓、神経系)、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(皮膚、消化器、神経系、肺、肝臓、心血管系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(皮膚、消化器、神経系、肺、肝臓、心血管系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、無機ヒ素化合物として皮膚、消化器、神経系、肺、肝臓、心血管系への影響(EHC 224, 2001; HSG 70, 1992)があるとしていることから区分2(皮膚、消化器、神経系、肺、肝臓、心血管系)した。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る