GHS分類結果

名称:L-2-アミノ-4-[(ヒドロキシ)(メチル)-ホスフィノイル]ブチリル-L-アラニル-L-アラニンナトリウム塩
CAS番号:71048-99-2

結果:
物質ID: 1116
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義の固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義の固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義の固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義の固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義の固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 用途が農薬であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。また、農薬としては多くが水溶剤として製品化されている。)
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義の固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるLD50 = 268 mg/kg(RTECS(2002)、日本農薬学会誌(1987))より区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告 H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットにおけるLD50 = 3 g/kg(RTECS(2002)、日本農薬学会誌(1987))より区分5とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 吸入におけるラットLC50値は2570mg/m3(=2.57mg/L, RTECS, 2002;日本農薬学会誌, 1987)であるが、蒸気あるいは粉塵/ミストの記述がなく、加えて蒸気圧データもないため、いずれか判断できず、データ不足のため分類できないとした。なお、蒸気と仮定すれば区分3、粉塵/ミストと仮定すれば区分4に該当する。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - 吸入におけるラットLC50値は2570mg/m3(=2.57mg/L, RTECS, 2002;日本農薬学会誌, 1987)であるが、蒸気あるいは粉塵/ミストの記述がなく、加えて蒸気圧データもないため、いずれか判断できず、データ不足のため分類できないとした。なお、蒸気と仮定すれば区分3、粉塵/ミストと仮定すれば区分4に該当する。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - 本物質0.5gの閉塞貼付はウサギ皮膚に刺激性を示さなかった(日本農薬学会誌、1987)ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
本物質0.1gのウサギ眼への処理は、極めて軽度の刺激性を示したが48時間後には回復した(日本農薬学会誌、1987)ことから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットを用いたDraize法により、本物質に極めて軽度な感作性が認められたとしている(日本農薬学会誌、1987)ことから、陽性動物の比率は不明ながら区分1とした。なお、本物質の20%水溶剤は、モルモットを用いたmaximization法により感作性を示さなかった(日本農薬学会誌、1987)。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitro変異原性試験(Ames試験、in vitro染色体異常試験)では陰性であったが(日本農薬学会誌、1987)、in vivo変異原性試験データがないため、データ不足により分類できないとした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットおよびマウスにおける慢性毒性・発がん性試験において腫瘍の有意な発生が見られなかった(日本農薬学会誌、1987)ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた次世代に及ぼす影響試験(世代繁殖および催奇形性)において、母体毒性を示した用量で化骨遅延や胎児重量の低下傾向がみられた(日本農薬学会誌(1987))ことから、区分2とした。一方、ラットおよびウサギを用いた催奇形性試験では陰性であった(日本農薬学会誌(1987))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系) 危険 H370: 臓器の障害(中枢神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1相当の文書において、ラット急性経口投与試験により区分1のガイダンス値(=<300 mg/kg)にて、行動の不活発化、流涎、間代性痙攣、外界刺激に対する興奮性の亢進がみられた(日本農薬学会誌、1987)ことから、区分1(中枢神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - Priority 1相当の文書において、ラットの3ヶ月間亜急性毒性試験および24ヶ月間慢性毒性・発がん性試験により腎近位直尿細管上皮の肥大および腎重量の増加が認められたが、腎機能障害、滑面小胞体の増加以外の変性性変化は認められなかった(日本農薬学会誌、1987)ことから、区分外とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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