GHS分類結果

名称:塩素酸コバルト
CAS番号:80546-49-2

結果:
物質ID: 1144
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 爆発性に関連する原子団(O-ハロゲン)を含んでいるが、毒物及び劇物取締法では「指十八:塩素酸塩類及びこれを含有する製剤。ただし、爆発薬を除く。」と規定されていることから、強い衝撃を与えない限り通常の取り扱いにおいては爆発性はないと考えられ、区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 組成的に不燃性と考えられ、区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 爆発性に関連する原子団(O-ハロゲン)を含んでいるが、自己反応性に関連する原子団は含んでいない。データ不足のため、分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 組成的に不燃性と考えられ、区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 組成的に不燃性と考えられ、区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 用途が媒染剤であり、水に対して安定と考えられ、区分外とした。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 強酸化剤と考えられるが、データがなく、分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 区分1 危険 H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
呼吸器感作性および皮膚感作性ともに、コバルトまたはコバルト化合物として、BAK/MAT(2005)で”Sah(気道および皮膚への感作性の危険性)”、日本職業・環境アレルギー学会(2004)で”職業性アレルギーの感作性化学物質物質”、日本産業衛生学会(2006)で”感作性物質:第1群(人間に対して明らかに感作性がある物質)”と分類されていることから、ともに区分1とした。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
呼吸器感作性および皮膚感作性ともに、コバルトまたはコバルト化合物として、BAK/MAT(2005)で”Sah(気道および皮膚への感作性の危険性)”、日本職業・環境アレルギー学会(2004)で”職業性アレルギーの感作性化学物質物質”、日本産業衛生学会(2006)で”感作性物質:第1群(人間に対して明らかに感作性がある物質)”と分類されていることから、ともに区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。 なお、MAK/BAT(2004)では、コバルトおよび無機コバルト化合物として、”3A(ヒトあるいは動物の生殖細胞で遺伝子損傷を誘発することが示されている、もしくは哺乳類の体細胞にin vivoで変異原性を生じ、活性型で体細胞に到達することが示されている物質)”に分類されている。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
コバルトおよびコバルト化合物として、IARCでは”2B(ヒトに対して発がん性を示す可能性がある)”(IARC52(1991))、ACGIHでは”A3(動物に対して発がん性が確認された物質であるが、ヒトへの関連性は不明)”(ACGIH-TLV(2006))、日本産業衛生学会では”2B(人間に対しておそらく発がん性があると考えられる物質(証拠が比較的十分でない物質))”(日本産業衛生学雑誌(2006))と分類されていることから、技術上の指針に従い区分2とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器系、心臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系、心臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、Priority 1の文書(ACGIH-TLV(2006))において、無機コバルト化合物の反復暴露により呼吸器系、心筋への影響があるとしていることから、区分1(呼吸器系、心臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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