GHS分類結果

名称:臭化カドミウム
CAS番号:7789-42-6

結果:
物質ID: 1153
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB, 2005)。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB, 2005)。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(HSDB, 2005)。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。)
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50=322mg/kg(RTECS, 2004)に従って、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - HSDB(2005)にヒトで皮膚刺激性を示すとの記載があるが、データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - HSDB(2005)にヒトで眼刺激性を示すとの記載があるが、データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitroにおいて弱い染色体異常誘発作用がみられたとの知見があるが(HSDB, 2005)、in vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。なお、MAK/BAT(2005)では無機カドミウム化合物は生殖細胞変異原性3A(GHS区分1B-2に相当)に分類されている。
6 発がん性 区分1A 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARC58(1993)、NTP RoC(11th, 2005)、産衛学会勧告(2005)のカドミウム化合物としての分類(それぞれGroup 1、Known to be human carcinogens、1)は区分1A、IRIS(1992)、ACGIH-TLV(2005)のカドミウム化合物としての分類(それぞれB1、A2)は区分1Bに該当するが、より厳しい分類を採用して区分1Aとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - SITTIG(4th, 2002)にはヒトで催奇形性や生殖能への影響が疑われるとの記載があるが、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(呼吸器系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2文書のHSDB(2005)、HSFS(2001)、SITTIG(4th, 2002)に、ヒトの呼吸器系に影響(気道刺激性や肺水腫など)を与えるとの記載があり、区分2(呼吸器系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1文書のACGIH-TLV(2005)ではカドミウム化合物には腎臓への影響があるとしており、Priority 2文書のHSFS(2001)およびSITTIG(4th, 2002)にも本物質による腎臓への影響の記載があることから、区分1(腎臓)とした。なお、本物質のヒトへの影響として、Priority 2文書のHSFS(2001)およびSITTIG(4th, 2002)では血液、肺などへの影響の記載があるが、裏付けとなるデータが見つからなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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