GHS分類結果

名称:2-クロルエチルトリメチルアンモニウムクロリド
CAS番号:999-81-5

結果:
物質ID: 1174
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。(融点236℃)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおいてLD50値が得られた2試験のうち、雌雄の低い方の値をとり、さらにそのうちの低い方を採用したLD50=450.0 mg/kg(農薬登録申請資料)に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットにおいてLD50>5000 mgである(農薬登録申請資料)ことに基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分5 - 警告 H333: 吸入すると有害のおそれ P304+P312: 吸入した場合:気分が悪いときは、医師に連絡すること。 ラットLC0=3.05 mg/L、LC10-20=5.2 mg/Lである(農薬登録申請資料)ことに基づき、区分5とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ウサギに対する皮膚反応は非擦過部位および擦過部位とも軽度の紅斑のみで、刺激性反応は72時間以内に消失したとの記載があるが、皮膚感作性試験においても弱い皮膚刺激性が認められている(農薬登録申請資料)ことから、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギの眼に対して結膜の軽度発赤及び浮腫が見られ、4日以内に回復したとの記載(EU農薬登録申請資料)に基づき、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたmaximization法で、皮膚感作性は陰性であるとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞in vivo変異原性試験のデータが無く、体細胞in vivo変異原性試験(マウスを用いた小核試験)で陰性との記載(EU農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットおよびマウスを用いた発がん性試験で、投与に関連した腫瘍の発生がなかったとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた3世代繁殖試験においてF3児雄の精巣に巨大細胞が見られたが、投与との関連はないと思われる。これ以外に投与の影響は親及び児動物ともなかった。ラット及びウサギを用いた催奇形性試験において、親動物に一般毒性が見られる最高用量でも、催奇形性は認められなかった(農薬登録申請資料)。以上の情報に基づき、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(全身性、神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(全身性、神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットおよびマウスで区分2のガイダンス値範囲内の投与量(450-1012 mg/kg)において、腹這い、眼出血、痙攣、虚脱、下痢、振戦、攣縮、流涎、血涙等が見られたとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分2(全身性、神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - ラットの90日間亜急性毒性試験で、区分2のガイダンス値範囲よりも高い用量で毒性影響がほとんどなく、ラットの2年間の慢性毒性試験で、区分2のガイダンス値範囲よりも高い用量で毒性影響がなかったとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=51.1mg/L(農薬登録申請資料、2005)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急性毒性が区分3であるものの、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=5mg/L(IUCLID、2000)から判断して、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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