GHS分類結果

名称:4-クロロ-3-エチル-1-メチル-N-[4-(p-トリルオキシ)ベンジル]ピラゾール-5-カルボキサミド
CAS番号:129558-76-5

結果:
物質ID: 1180
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団として隣接した窒素原子を有する。酸素収支の計算値が-210.5で-200より低いことから、区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団として隣接した窒素原子を含むが、データがないために分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。(融点87.8-88.2℃)
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素を含んでいない有機化合物。酸素および塩素を含むが、これらは炭素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。(融点87.8-88.2℃)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットの3試験について、雌雄のうち低い方のLD50値を採用して、計算式から得られたLD50=77.2 mg/kg(農薬登録申請資料)に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットにおいて、雄性で2000 mg/kg、雌性で3000 mg/kgの投与で死亡が認められないとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
雌雄のLC50値のうち低い方の値を採用し、LC50=1.50 mg/L(農薬登録申請資料)に基づき、区分4とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ウサギにおいて48時間後まで紅斑が見られたが非常に軽度であり、72時間後には消失したとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギの試験で、虹彩では1時間後に刺激性変化が見られたが24時間後に消失し、結膜では発赤、浮腫が見られたが14日後に消失したとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットのMaximization法で陰性との記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞変異原性試験のデータが無く、体細胞in vivo変異原性試験(マウスの赤血球を用いるin vivo小核試験)で陰性との記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットおよびマウスにおける発がん性試験で、発がん性が認められなかったとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた繁殖毒性試験で、親動物に一般毒性のある用量で分娩異常(難産、遅延分娩)、妊娠期間の延長、出産率及び出生率の低下が見られ、児動物の成長への影響、出産生存児数の減少、出生時及び4日生存率の低下、平面正向反射成立日の遅延が見られた。ラットを用いた催奇形性試験で、親動物に一般毒性を示す用量で催奇形性は見られなかったが、胎児体重の低値、中手骨骨化遅延が見られた(農薬登録申請資料)。以上の情報に基づき、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(全身性) 危険 H370: 臓器の障害(全身性) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットおよびマウスにおいて、区分1のガイダンス値範囲内の投与(LD50値に近い用量)で、腹臥位、横臥位、円背位、自発運動の低下、歩行失調、呼吸不整または呼吸困難、下痢、下腹部の汚れ、活動性の低下、虚脱、低体温が見られたとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分1(全身性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、膵臓、生殖器)、区分2(心臓) 警告
危険
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(心臓)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、膵臓、生殖器)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおいて、区分1のガイダンス値範囲内の投与(4.78 mg/kgまたは9.33 mg/kg)で、白血球数の低値、グルコースの高値、総蛋白、アルブミンの低値、γGT、尿素窒素の高値、トリグリセライドの低値、肝細胞肥大、膵臓腺房細胞の肥大、ハーダー腺の分泌亢進、腸間膜リンパ節の肥満細胞の増加、顎下腺腺房細胞の肥大、精嚢、前立腺の小型化、卵巣、子宮、膣の小型化、卵巣、子宮の萎縮、卵巣重量の低値などの影響が見られたとの記載がある。また、マウスにおいて、区分2のガイダンス値範囲内の投与(15.9mg/kgまたは46.2mg/kg)で、体重増加抑制、摂餌量の低値、GOTの高値、心臓相対重量の高値、肝臓相対重量の高値が見られたとの記載(農薬登録申請資料)がある。以上の情報に基づき、区分1(肝臓、膵臓、生殖器)、区分2(心臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 藻類(緑藻)の72時間ErC50>0.76mg/L(農薬登録申請資料)から、本物質の水溶解度(0.087mg/L(農薬抄録、2004))において当該毒性を示さないことが示唆されるため、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分4 - - H413: 長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
難水溶性物質で水溶解度までの濃度で急性毒性が報告されていないが、急速分解性が不明かつ生物蓄積性があると推定される(log Kow=5.61(農薬抄録、2004))ことから、区分4とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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