名称:ジクロル酢酸
CAS番号:79-43-6
物質ID: | 1231 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 2000)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 2000)。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 2000)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分1 | 警告 | H290: 金属腐食のおそれ |
P234: 他の容器に移し替えないこと。 P390: 物的被害を防止するためにも流出したものを吸収すること。 P406: 耐腐食性/耐腐食性内張りのある...容器に保管すること。 |
本物質固有の国連番号(1764)によりUNRTDGが8、IIに分類されており、ICSC(J)(2000)に「強酸であり、多くの金属を侵す」との記載があることから、金属腐食性があると考えられ、区分1とした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットにおける経口LD50値が2820〜4480 mg/kg(ACGIH(7th, 2005))であることから、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギにおける経皮LD50 = 510 mg/kg(ACGIH(7th, 2005), RTECS(2004))であることから、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギに対するStandard Draize Testにおいて”Severe(重篤)”な反応が見られたこと(ACGIH(7th, 2005); RTECS(2004))、人の皮膚に対して腐食性を示す(ICSC(J)(2000))、重度の刺激性および熱傷を生じる(SITTIG(4th, 2002); HSFS(1999))との記述があることから、区分1A-1Cとした。なお、本データからの細区分は困難である。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの眼に対して重度な刺激性を示す(ACGIH(7th, 2005))こと、ヒトの眼に対して腐食性を示す(ICSC(J)(2000), SITTIG(4th, 2002))、ヒトの眼に不可逆的な障害を生じる(SITTIG(4th, 2005), HSFS(1999))との記述があること、さらに、皮膚に対して区分1に分類されることから、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウス末梢血赤血球を用いたin vivo小核試験(IARC84(2004); IRIS(2003))、トランスジェニックマウスを用いた肝臓の遺伝子突然変異試験(IARC84(2004))において陽性の結果が認められることから、区分2とした。なお、in vitro変異原性試験(Ames試験、染色体異常試験)およびin vivo小核試験ともに、陽性/陰性の相反する結果が報告されているものの、本物質はin vivo およびin vitroにおいて遺伝毒性を示すとされている(IARC84(2004))。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は、IARCにおいて”Group 2B(ヒトに対して発がん性を示す可能性がある)”(IARC84(2004))、ACGIHにおいて”A3(動物に対して発がん性が確認された物質であるが、ヒトへの関連性は不明)”(ACGIH(7th, 2005))に分類されていることから、技術上の指針に従い区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠ラットへの本物質の経口投与により、母体毒性を示す用量で胎児に心臓の奇形が見られ、また、雄ラットへの投与により、精子の奇形、精巣萎縮等が見られること(いずれもACGIH(7th, 2005), IARC84(2004), HSDB(2003), Catalog of teratogenic agents(2004))、およびACGIH(7th, 2005)では精巣障害とされていることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(吸入:肺) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(吸入:肺) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Priority 2の文書中、蒸気の吸入により、ヒトの気道に対して腐食性を示し、肺水腫を起すことがあるとの記述がある(ICSC(J)(2000), SITTIG(4th, 2002), HSFS(1999))ことから、区分2(肺)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系)、区分2(肝臓、腎臓、精巣) |
警告 危険 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、腎臓、精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Priority 1の文書中、本物質のヒトへの投与の結果、神経系に影響が見られた(鎮静作用、末梢神経障害)との記述があること(IARC84(2004), IRIS(2003))、また、マウスおよびラットへの投与で、ガイダンス値で区分2に分類される投与量において、肝肥大/肝腫脹等、腎症、精巣萎縮等が見られた(ACGIH(7th, 2005), IARC84(2004), IRIS(2003), HSDB(2003))ことから、区分1(神経系)、区分2(肝臓、腎臓、精巣)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50=106mg/L(AQUIRE、2003)から、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度=1000000mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 |
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