GHS分類結果

名称:ジニトロメチルヘプチルフェニルクロトナート
CAS番号:39300-45-3

結果:
物質ID: 1241
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 爆発性に関連する原子団(N-O)を含んでおり、酸素収支の計算値が-184.4と-200より高いが、爆発性を示すデータは見当たらないことから、区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
6 引火性液体 区分4 - 警告 H227: 可燃性液体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
PM(13th, 2003)に引火点が67℃(Pensky-Martens closed cup)との記載があり、区分4とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
8 自己反応性化学品 区分外 - - - - 爆発性に関連する原子団(N-O)を含んでいるが、自己反応性に関連する原子団は含んでおらず、自己反応性を示すデータも見当たらないことから、区分外とした。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 用途が農薬であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類できない - - - - データなし。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおける経口LD50 = 980(RTECS(2003), HSDB(2003)), 766(RTECS(2003)), 950 mg/kg(HSDB(2003))から、計算式により算出した値(LD50 = 834 mg/kg)を用い区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギにおける経皮LD50 = 9400 mg/kg(RTECS(2003))であることから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるLC50(4h)= 0.36 mg/L(RTECS(2003))から、区分2とした。なお、本物質の飽和濃度は極めて低く、吸入試験はミストの状態で行われていると推定される。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ヒトの皮膚を刺激するとの記述(ICSC(J)(1997), HSDB(2003))があること区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの皮膚への反復または長期の接触により、皮膚が感作されることがあるとの記述がある(ICSC(J)(1997))ことに加え、パッチテスト陽性の報告がある(HSDB(2003))ことから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - Ames試験での陽性報告がある(RTECS(2003))ものの、in vivoを含む他の試験結果がなく、データ不足で分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - マウスにおいて発がん性を示唆する報告(RTECS(2003))、ならびに否定する報告(HSDB(2003))がみられたが、データ不足で分類できない。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスおよびハムスターに対する試験において、仔動物に対する催奇形性(口蓋裂、斜頸等)が見られる(Catalog of teratogenic agents(2004), RTECS(2003), HSDB(2003))こと、動物試験ではヒトに奇形を引起す可能性が示唆されること(ICSC(J)(1997))から、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2の文書中、本物質の職業暴露の結果、肝機能に影響が見られたとの報告があること(HSDB(2003))、ガイダンス値で区分2の範囲の投与量で、ラットで肝細胞壊死が見られたとの報告があること(RTECS(2003))から、区分2(肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=4.2ppb(AQUIRE、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=5.98(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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