名称:Furan
CAS番号:110-00-9
物質ID: | 10 |
分類実施者: | 経済産業省 |
分類実施年度: | 平成19年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10 版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | - | - | - | - | - | - |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | - | - | - | - | - | - |
3 | エアゾール | - | - | - | - | - | - |
4 | 支燃性/酸化性ガス | - | - | - | - | - | - |
5 | 高圧ガス | - | - | - | - | - | - |
6 | 引火性液体 | - | - | - | - | - | - |
7 | 可燃性固体 | - | - | - | - | - | - |
8 | 自己反応性化学品 | - | - | - | - | - | - |
9 | 自然発火性液体 | - | - | - | - | - | - |
10 | 自然発火性固体 | - | - | - | - | - | - |
11 | 自己発熱性化学品 | - | - | - | - | - | - |
12 | 水反応可燃性化学品 | - | - | - | - | - | - |
13 | 酸化性液体 | - | - | - | - | - | - |
14 | 酸化性固体 | - | - | - | - | - | - |
15 | 有機過酸化物 | - | - | - | - | - | - |
16 | 金属腐食性物質 | - | - | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。なお、EU Annex IはR22でありGHS区分3〜4に相当する。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体(融点-85.61℃、50℃での蒸気圧191kPa)であるため、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
20℃での飽和蒸気圧濃度650,000ppmであり、ラット1時間暴露でのLC50値3,398ppm(RTECS(1995))からの4時間暴露換算値1,700ppmに基づき区分3とする。なお、EU Annex IはR20でありGHS区分3〜4に相当する。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | HSDB(1996)に「モルモットを用いた試験で刺激性」とあり、EU Annex IでもR38とある。HSDB(1996)の一次文献(Gig. Saint. 6:28-32(1974))を確認したところ、「フランは揮発性が強いために(沸点32℃)、刺激性は検討しなかった。」と記載されている。よって、データがなく分類できないとした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | HSFS(1999)に「ヒトに刺激性の可能性」とあるが、この情報を具体的に支持するデータがないので分類できないとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | HSDB(1996)に「モルモットの試験で皮膚アレルギー性」とあり、その一次文献(Gig. Saint. 6:28-32(1974))の内容を確認した。確かにフランの結果は弱い皮膚感作性とされているが、試験に用いたモルモットの匹数や感作性を示した割合などの詳細の記載がない。この他には報告例はないので、データがなく分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | IARC 63(1995)とNTP TR402(1993)に体細胞in vivo変異原性試験(マウス骨髄細胞染色体異常試験)の陽性結果はあるが、最近報告された体細胞in vivo変異原性試験(マウス末梢血小核試験)ならびにin vitroヒトリンパ球小核試験での陰性の結果(Toxicol Lett., 169, 43-50, 2007)に加え、IARC 63(1995)にあるin vivo SCE試験、in vivo肝UDS試験およびAmes試験での陰性知見に基づき、証拠の重みづけから、区分外とした。なお、EU Annex IはR68でありGHS区分2に相当する。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
日本産業衛生学会(2006)の分類(第2群B)に基づき区分2とする。なお、IARC(1995)、NTP(1998)、EUの分類は各ー2B、R、2であり、この内EUの分類(カテゴリー2)はGHS区分1Bに相当する。EUの分類に関するワーキンググループの委員会議事録(2000年)には「ドイツからNTPの試験結果に基づきカテゴリー3(GHS区分2に相当)への変更提案がなされ、継続審議となった。」との記載がある。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。なお、NTP TR402(1993)に経口13週間の亜急性毒性試験(投与濃度60mg/kg/日)でラットに精巣と卵巣の萎縮が見られたとあるが、繁殖能力への影響や仔への影響の記載はないので、生殖毒性の分類根拠とはせず反復暴露の対象事例とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系、消化器系、肝臓)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系、消化器系、肝臓) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、Priority2のHSDB(1996)に、吸入暴露による症状として「中枢神経系の抑制、消化器の鬱血、肝臓損傷、低血圧、疲労、頭痛」との記載がある。また、ICSC(1995)に「気道刺激性がある」と記載されている。よって、区分2(中枢神経系、消化器系、肝臓)、区分3(気道刺激性)とする。なお、HSDB(1996)の一次文献(NTP Executive Summary: Furan(Draft)(1986))を入手できず、詳細は確認できなかった。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、腎臓、呼吸器系)、区分2(精巣、卵巣) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、腎臓、呼吸器系) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(精巣、卵巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Priority 1のNTP TR402(1993)には、マウスとラットを用いた経口2年間の慢性毒性試験(最大投与濃度8mg/kg/日)での肝臓傷害(胆管線維症、肥大、慢性炎症、巨細胞腫など)と腎臓傷害(尿細管膨張、尿細管上皮壊死)の記載があると共に、経口13週間の亜急性毒性試験(投与濃度60mg/kg/日)でラットに精巣と卵巣の萎縮が見られたとある。そして、Priority 2のRTECS(1995)には、ラット吸入の4hr、60日LOAEL:0.2mg/L(区分2のガイダンス値に相当)を得た試験で気管または気管支の構造または機能の異常の記載があり、また、ラット吸入の4hr、26週LOAEL:0.005mg/L(区分1のガイダンス値に相当)を得た試験で中枢神経系の異常の記載がある。RTECSの一次文献(Toksikologiya Novykh Promyshlennykh Khimicheskikh Veshchestv, 9, 106(1967)、ibid., 10, 35(1968))を確認したところ、前者の気管または気管支の異常については、ラット吸入30日・2時間/日・1.0-1.3mg/L(区分1のガイダンス値に相当)の暴露条件で局所的な肺気腫を伴うものであったが、後者の中枢神経系の症状は致死用量(LC50)を求める試験で見られたものと考えられ、亜急性及び慢性毒性の試験においては中枢神経の機能障害と云える記載はなかった。よって、区分1(肝臓、腎臓、呼吸器系)、区分2(精巣、卵巣)とする。また、投与濃度60mg/kg/日でのラットに精巣と卵巣の萎縮の結果は亜急性毒性試験で見られたものであり、繁殖能力への影響や仔への影響の記載はないので、本有害性項目の分類根拠とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - | - | - | - | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - | - | - | - | - | - |
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