名称:シクロテトラメチレンテトラニトラミン
CAS番号:2691-41-0
物質ID: | 07-D19 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成19年度 |
使用マニュアル: |
GHS分類マニュアル(H18.2.10版) 技術上の指針(H17.12.6版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 不安定爆発物 | 危険 | H200: 不安定爆発物 |
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P372: 火災の場合に爆発する危険性あり。 P374: 適当な距離から注意して消火すること。 P380: 区域より退避させること。 P401: ...に保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
水分含有率が15質量%未満のものは、輸送禁止(船舶安全法・昭和54運告549、5条1-ラ)なので、不安定爆発物とした。 (15質量%以上の水で湿性としたものはUN0226、等級1.1になる。鈍性化したものはUN0484、等級1.1である。) | |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 火薬類に分類されているので定義から除外され、分類対象外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が234℃(ICSC(J)2005)と記載されているので常温の空気と接触しても自然発火しないと判断し、区分外とした。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットでのLD50として、IRIS(Access on Aug. 2007), ATSDR(1997)に5500mg/kg(雄:5500mg/kg、雌:6400mg/kg)、PATTY(5th, 2005)に2300 mg/kg との記述から、低い方の値に基づき区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットでのLD50は求められていないが、ATSDR(1997)にLD0:4239 mg/kgとのデータがあり、ウサギでのLD50:634 mg/kg(ATSDR 1997)との比較から、低い方のウサギでのLD50に基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ATSDR(1997)で、ウサギの皮膚に対して109 mg/kgの適用で軽度(mild)な刺激性が見られたとの記述、およびRTECS(Access on Aug. 2007)にウサギの皮膚に対して500 mgの適用で軽度(mild)な刺激性が見られたとの記述に基づき、区分3と分類した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ATSDR(1997)には、軍需工場で火薬類を取扱った作業者(558名)中の3名に紅斑性狼瘡が認められ、発症と免疫能との関連について調査した結果、紅斑性狼瘡の生物学的指標となる抗核抗体価には非暴露群との間に差がなかったが、火薬類取扱者は本物質の他、TNT、RDXなどにも暴露しており、明確な結論は得られていない。また、モルモットでの皮膚感作性試験では陰性であるとする情報があるが、試験法など詳細不明のため、データ不足により分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | IRIS(2007)ではAmes 試験で陰性の結果が得られているが、その他にin vivo試験のデータがないことから、データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IRIS(2007)に、EPAでカテゴリー Dに分類されている、との記述に基づき、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、腎臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系、腎臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ATSDR(1997)に、ウサギへの経皮投与により168mg/kgで痙攣、運動機能の亢進および低下、攻撃性などの中枢神経症状および腎臓の組織傷害(尿細管の拡張、線維化、萎縮、糸球体の萎縮)が認められたとの記述から、区分1のガイダンス値の用量範囲内で中枢神経系および腎臓を傷害すると考えられ、区分1(中枢神経系、腎臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IRIS(1988)に、ラットでの13週間混餌投与試験で雄の150mg/kg/day以上の投与群に肝障害が、また、雌の270mg/kg/day以上の投与群に腎障害が認められ、それぞれ無影響量は50mg/kg/dayおよび115mg/kg/dayであるとの記述がある。雄の肝障害のLOAELは、区分2のガイダンス値の上限を若干上回っているが、NOAELは区分2の範囲内にあることから、区分2の範囲内の用量でも肝障害を起こす可能性は否定できないことから、区分2(肝臓)とした。一方、雌の腎障害のLOAELは270mg/kg/day、NOAELは115mg/kg/dayであるとの記述から、NOAELは区分2のガイダンス値範囲の上限を上回っており、腎臓への影響については区分外に相当すると判断される。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 藻類(セレナストラム)の96時間EC50 > 32 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 > 32 mg/L、魚類(ファットヘッドミノー、ニジマス、ブルーギル)の96時間LC50 > 32 mg/L(いずれもAQUIRE, 2007; Bentley et al., 1975)から、水溶解度(5mg/L、PHYSPROP Database、2007)において当該毒性を示さないことが示唆されるため、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度(5 mg/L、PHYSPROP Database、2007)までの濃度で急性毒性が報告されておらず、急速分解性はないと推定されるものの(BIOWIN)、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 0.16(PHYSPROP Database、2007))ことから、区分外とした。 |
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