GHS分類結果

名称:ジルコニウム(粉末)
CAS番号:7440-67-7

結果:
物質ID: 07-D28
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
技術上の指針(H17.12.6版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 区分1 危険 H228: 可燃性固体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
機械的に製造された粒径53ミクロン未満の粉末又は化学的に製造された粒径840ミクロン未満の粉末は、水で湿性としたものであってもUN1358 クラス4.1IIであり、区分1となる。乾性のものはより燃焼性がよいので、すべて区分1とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性および自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 区分1または区分外 危険 H250: 空気に触れると自然発火 P335+P334: 固着していない粒子を皮膚から払いのけ、冷たい水に浸すこと/湿った包帯で覆うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P222: 空気に接触させないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P422: 内容物を...中で保管すること。
乾燥した粉末は試験の結果で、UN2008 クラス4.2 I、II、IIIに分けられる。 等級Iのものは区分1。等級II、IIIのものは区分外 (水で湿性としたものUN1358は区分外)
11 自己発熱性化学品 区分1または区分2 危険 H251: 自己発熱:火災のおそれ P235+P410: 涼しいところに置き、日光を避けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P407: 積荷/パレット間に隙間をあけること。
P413: ...kg以上の大量品は、...℃以下の温度で保管すること。
P420: 他の物質から離して保管すること。
乾燥した粉末は試験の結果で、UN2008 クラス4.2 I、II、IIIに分けられる。 等級I、IIのものは区分1。等級IIIのものは区分2 (水で湿性としたものUN1358は区分外)
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水で湿性化できるので、水に対して安定であると判断し、区分外とした。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、ハロゲンを含まない無機物質である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
(DFGOT 1999)ヒトに類上皮肉芽腫(epithelioid granuloma)性皮膚感作を起こすとの複数の疫学調査報告があることから区分1とした。なお、(MAK/BAT 2006)ではSah(呼吸器および皮膚アレルゲン)に分類している。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIH(2001)においてA4に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIHの許容濃度設定根拠に、呼吸器系への刺激性を軽減するため、との記述があることから、区分3(気道刺激性)とする。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - (DFGOT(vol. 12, 1999))、(PATTY 5th(2005))、(ACGIH(7th, 2001))、(RTECS(Access on July 2007))での各種の動物試験及び疫学調査の結果に関する記述からは、認められた呼吸器などの障害がジルコニウム粉末(金属)単独の被曝に起因するとの明確な記述がないことから、データ不足のため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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