GHS分類結果

名称:トルエン-2,4-ジアンモニウム硫酸塩
CAS番号:65321-67-7

結果:
物質ID: 82
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
技術上の指針(H17.12.6版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性または自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素である硫黄と化学結合しているが、規定試験法によるデータがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質でのデータなし。ただし、トルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No. 95-80-7)は、ラットを用いた経口投与試験のLD50 73 mg/kg、300 mg/kg(CERIハザードデータ集 2000-8(2001))、230 mg/kg、270 mg/kg(DFGOT vol.6(1994))に基づき、計算式を適用して得られたLD50 135 mg/kgから、区分3であり、本物質も区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険 H311: 皮膚に接触すると有毒 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質でのデータなし。ただし、トルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No. 95-80-7)は、ラットを用いた経皮適用試験のLD50 1,200 mg/kg(CERIハザードデータ集 2000-8(2001))、ウサギを用いた経皮適用試験のLD50 650 mg/kg(環境省リスク評価書第3巻(2004))のうち、低い方の値 650 mg/kgから、区分3であり、本物質も区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。なお、トルエン-2,4-ジアンモニウム(95-80-7)は、CERIハザードデータ集 2000-8(2001)のウサギを用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)結果の記述「軽度の刺激性」から4時間適用試験ではないが、「軽度刺激性を有する」と考えられるため、区分3に分類されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。なお、トルエン-2,4-ジアンモニウム(95-80-7)は、CERIハザードデータ集 2000-8(2001)、DFGOT vol.6(1994)のウサギを用いた眼刺激性試験結果の記述「中等度の刺激性」「軽度の結膜炎を生じた」から、「中等度刺激性を有する」と考えられ、区分2Aに分類されている。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質でのデータなし。ただし、トルエン-2,4-ジアンモニウム(95-80-7)は、CERIハザードデータ集 2000-8(2001)、DFGOT vol.6(1994)のモルモットを用いた皮膚感作性試験結果の記述「弱い感作性」「感作性を示した」から、皮膚感作性を有すると考えられるため、区分1に分類されており、本物質も区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータは無いが、トルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No. 95-80-7)では、優性致死試験で陰性、体細胞でのin vivo小核試験および染色体異常試験で陰性ながら(EHC 74(1987))、トランスジェニックマウス試験でin vivo突然変異陽性の知見があり(Mutat Re., 608, 88-96, 2006)同様に区分2とした。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質については、EUがCat. 2に分類しているが(EU(2007))、根拠データが確認の確認はできなかった。ただし、本物質ではないがトルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No 95-80-7)は、NTPがR、IARC(1987)でグループ2Bに分類している(NTP(2005)、IARC(1987))に分類しており、本物質について区分2とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質でのデータなし。ただし、トルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No 95-80-7)は、親動物の一般毒性に関する記述はないが、雄動物の生殖能及び児動物の発生への影響がみられており(EHC 74(1987))、本物質についても区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(肝臓、中枢神経系、血液系)、区分3(気道刺激性) 危険
警告
H370: 臓器の障害(肝臓、中枢神経系、血液系)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータなし。ただし、トルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No 95-80-7)は、ヒトおよび動物実験において、肝臓、中枢神経系、血液系、気道刺激性が見られている。これらの動物実験による影響は、区分1に相当する用量で影響が見られた(CERIハザードデータ集 2000-8(2001))。以上の結果より、本物質についても区分1(肝臓、中枢神経系、血液系)、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、腎臓)、区分2(血液系、脾臓、精巣) 危険
警告
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液系、脾臓、精巣)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、腎臓)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータなし。ただし、トルエン-2,4-ジアンモニウム(CAS No 95-80-7)は、動物実験において肝臓、腎臓(区分1の用量)、血液系、脾臓、精巣(区分2の用量)に影響が見られた(CERIハザードデータ集 2000-8(2001))。以上の結果より、本物質についても、区分1(肝臓、腎臓)、区分2(血液系、脾臓、精巣)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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