GHS分類結果

名称:アセナフテン
CAS番号:83-32-9

結果:
物質ID: 1-015
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点>450℃(ICSC,2006))。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、投与量2,000 mg/kgまでの試験で死亡例がみられずLD50値>2,000 mg/kgと推定されている(厚労省報告(Access on September 2008))ことから区分外とした。 なお、1969年のデータではあるが、LD50値 10,000 mg/kgの報告がある(環境省リスク評価第4巻(2005))。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - 皮膚、粘膜に対して「irritation」の記述がある(PATTY(5th, 2001))が、表現が定性的であり、データはHazardous Materials(NFPA)のもので一次文献にたどれず詳細は不明である。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で「not irritating」(IUCLID(2000))、動物種不明の試験で「irritating」(IUCLID(2000))との記述がある。以上より、List1において刺激性の程度を具体的に示したデータがないので分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - ウサギを用いた眼刺激性試験で「not irritating」(IUCLID(2000))との記述があるが、List1の情報源において明確に有害性を否定するデータがない。以上より、データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivoでのチャイニーズハムスターを用いたAneuploidie Test(異数性試験)で「陰性」(IUCLID(2000))との記述があるが、一次文献入手不可能であり詳細不明のため分類できない。 なお、in vitro試験としてチャイニーズハムスターを用いた染色体異常試験で「陽性」(厚労省報告(Access on September 2008))、復帰突然変異試験で「陰性」(厚労省報告(Access on September 2008)、NTP DB(Access on September 2008))の報告がある。
6 発がん性 区分外 - - - - IARCでグループ3(IARC 92(2008))と評価されているので区分外とした。なお、IARC Monographs Vol.92はin preparationである。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、「マウスに0、175、350、700 mg/kgを90 日間強制経口投与した結果、350 mg/kg以上の群の雌で卵巣重量の有意な減少を認め、卵巣及び子宮の機能低下が示唆された」(環境省リスク評価第4巻(2005))との記述があるが、引用文献であるIRISにその記述がないので分類には使用しない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分外 - - - - ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)において「投与量2,000 mg/kgまでの試験で毒性症状はみられない」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述より、区分外とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットを用いた28日間反復投与試験において、区分2のガイダンス値の範囲内で、雌雄に「肝重量増加、肝細胞肥大、肝臓の脂質代謝への影響を示唆する変化」(厚労省報告(Access on September 2008))がみられたが、データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、本物質は炭化水素であるが、動粘性率は不明である。またICSCに化学性肺炎に関する記述はない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間ErC50 = 0.52 mg/L(EHC 202, 1998)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解性:4週間の標準法でBODによる分解度:0%(既存点検, 1991))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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