名称:1-クロロ-2-(クロロメチル)ベンゼン
CAS番号:611-19-8
物質ID: | 1-097 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | Merck KGaA data from March 2009による引火点は109℃であり区分外に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点>600℃(Merck KGaA data from March 2009)。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値951 mg/kg(雄)、783 mg/kg(雌)(厚労省報告(Access on September 2008)、SIDS(2004))の低値783 mg/kgから区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた経皮投与試験(FIFRA Pesticide Assessment Guidelines、GLP)のLD50値1,700 mg/kg(雄)、2,200 mg/kg(雌)(SIDS(2004))から低値1,700 mg/kgをとり区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | 本物質の25℃での飽和蒸気圧濃度は1.3 mg/L(197 ppm)である。ラットを用いた1時間蒸気吸入暴露試験(Equivalent to OECD 403、GLP)のLC50値は>1.14 mg/L(換算値>173 ppm)(SIDS(2004))であるから、気体基準を適用する。4時間換算LC50値は>87 ppmで、区分を特定できないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
ラットを用いた4時間エアロゾル吸入暴露試験(OECD TG 403、GLP)のLC50値2.8 mg/L(SIDS(2004))から、区分4とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚刺激性/腐食性試験(OECD TG 404、GLP)で、「4時間塗布で3匹とも2より大きいスコアがなく、軽度(mild)の皮膚刺激性」(SIDS(2004))である旨の記述から、国連GHS皮膚刺激性区分3に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性/腐食性試験(OECD TG 405、GLP)で、「3匹のウサギの眼に滴下し24時間後に洗浄、14日間観察したところ、いずれも軽度/中程度(mild/moderate)の眼刺激性を示した。1匹のみ7日後も結膜の影響が残ったが、14日後には消失」(SIDS(2004))との記述から、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 「13匹のモルモットのうち8匹で陽性を示したという1936年のデータがあるが、判定の基準が不明瞭なので信頼できない」(SIDS(2004))旨、結論されているので、分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞in vivo変異原性試験(ラット赤血球を用いる小核試験)(OECD TG 474、GLP)で「陰性」(SIDS(2004))との記述から区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与による反復投与毒性試験と生殖/発生毒性スクリーニング試験を組み合わせた試験(OECD TG 422、GLP)で、「雌に前胃壁の肥厚、扁平上皮の増生、びらんおよび潰瘍、雌雄に体重増加抑制および摂餌量減少が見られた用量で、生殖能および児に対する影響は認められなかった」(厚労省報告(Access on September 2008)、SIDS(2004))との記述があるが、簡易試験であり、他にデータがないので、分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)において、「生存動物で自発運動の低下と歩行異常が見られた」(厚労省報告(Access on September 2008))および、マウスを用いた吸入暴露試験で、「呼吸能力の低下と感覚刺激性」(SIDS(2004)))との記述から、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(胃、呼吸器系、造血系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(胃、呼吸器系、造血系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与による反復投与毒性試験と生殖/発生毒性スクリーニング試験を組み合わせた試験(OECD TG 422、GLP)で、「雌に前胃壁の肥厚、扁平上皮の増生、びらんおよび潰瘍、雄で腎臓の近位尿細管上皮における硝子滴沈着の増強」(厚労省報告(Access on September 2008)、SIDS(2004))との記述がある。一方、ラットを用いた反復吸入暴露試験(OECD TG 412、GLP)で、「鼻粘膜、気管、気管支の損傷、骨髄細胞、赤血球細胞の増加」(SIDS(2004))との記述がある。胃、呼吸器系、造血系への影響は区分1のガイダンス値の範囲内で見られた。腎臓の症状は雄ラットに特異的な影響といえるので採用しない。以上より、区分1(胃、呼吸器系、造血系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(メダカ)の96時間LC50 = 0.27 mg/L(環境庁生態影響試験, 1998)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解性;4週間標準法でのBOD:0%(既存点検, 2001))ことから、区分1とした。 |
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