GHS分類結果

名称:3,5-ジクロロアニリン
CAS番号:626-43-7

結果:
物質ID: 1-156-1)
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点620℃(Merck KGaA data from March 2009))。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素、酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、塩素は炭素とのみ結合している。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、構造異性体である3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)のEU分類はT; 23/24/25(EU-Annex I)である。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、構造異性体である3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)のEU分類はT; 23/24/25(EU-Annex I)である。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、構造異性体である3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)のEU分類はT; 23/24/25(EU-Annex I)である。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、構造異性体である3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)のEU分類はXi; R41(EU-Annex I)である。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。なお、構造異性体である3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)のEU分類はR43(EU-Annex I)である。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitro試験として、ネズミチフス菌を用いた復帰突然変異試験で「陰性」(NTP DB(Access on December 2008))の記述があるが、in vivo試験データがないので分類できない。 なお、構造異性体である3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)の分類も参照のこと。
6 発がん性 分類できない - - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(血液系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(血液系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
List2の情報源であるHSDB(2003)に、「中枢性チアノーゼ、頭痛、倦怠感、失神、呼吸困難、中枢神経系抑制、ショック症状」、「メトヘモグロビン値の上昇と血中酸素運搬量の減少による影響」等の記述がある。また、構造異性体については、「他のクロロアニリン類同様、2・4-、2・5-、3・4-ジクロロアニリンはメトヘモグロビン形成物質であり、メトヘモグロビン血症による急性症状を示す」(BUA 140(Summary 1993))旨の記述があり、本物質でもメトヘモグロビン血症による影響が考慮されることから、区分2(血液系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、構造異性体である2・5-ジクロロアニリン(CAS No.95-82-9)、3・4-ジクロロアニリン(CAS No.95-76-1)の分類も参照のこと。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 1.12 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る