名称:2,4-ジメチルアニリン
CAS番号:95-68-1
物質ID: | 1-214 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(2007)による引火点は90℃であり、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告がクラス6.1で容器等級がII、国連番号が1711(ICSC, 2007)なので区分外とした。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50値 470 mg/kg(DFGOT vol.19(1998)、ACGIH(7th, 2001))から区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値3,300 mg/kg(DFGOT vol.19(1998))との記述がある。このLD50値は国連GHS急性毒性(経皮)区分5に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
本物質の飽和蒸気圧濃度(25℃)は175 ppm(0.867 mg/L)である。ラットを用いた4時間吸入暴露試験のLC50値1.53 mg/L(DFGOT vol.19(1998))は飽和蒸気圧濃度より大きいため、ミスト基準を適用し、区分4とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | OECD TG準拠の皮膚刺激性試験で「not irritating」(DFGOT vol.19(1998))の旨、記述されている。また、BUA 161(Summary, 1994)には、「skin : weak irritation」と、記述されている。以上より、国連GHS皮膚刺激性区分3に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 なお、環境省リスク評価書第6巻(2008)には、ヒトへの影響の項に「皮膚を刺激し、・・・皮膚に付くと発赤」との記述がある。また、引用文献のICSC(2007)には、EFFECTS OF SHORT-TERM EXPOSUREの項に「mildly irritating」と、記述されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
OECD TG準拠の眼刺激性試験で「irritating」(DFGOT vol.19(1998))の旨、記述されている。また、BUA 161(Summary, 1994)には、「eye : irritant」と、記述されている。以上より、程度が不明なので細区分せず区分2とした。 なお、環境省リスク評価書第6巻(2008)には、ヒトへの影響の項に「眼を刺激し、・・・眼に入ると発赤、痛み」との記述がある。また、引用文献のICSC(2007)には、EFFECTS OF SHORT-TERM EXPOSUREの項に「irritating」と、記述されている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vitro変異原性試験(ネズミチフス菌を用いたAmes試験)で「陽性」(NTP DB(Access on October 2008))との記述があるが、in vivo試験のデータがないので、分類できない。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCでグループ3(IARC Suppl. 7(1987))との記述があるので、ガイダンスに従い区分外とした。 ただし、ドイツDFGではカテゴリー2(DFGOT vol.19(1998))に分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系) | 危険 | H370: 臓器の障害(血液系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
動物については、ラットを用いた4時間吸入暴露試験において、「過呼吸がみられた」(DFGOT vol.19(1998))旨の記述と、ラットの致死量を求める経口投与試験において、「投与約1時間半後にメトヘモグロビンが産生された」(DFGOT vol.19(1998))旨の記述がある。これらの症状は全て区分1のガイダンス値の範囲内でみられた。本物質のヒトについてのデータはないが、DFGOT vol.19(1998)には、「異性体である2,6-xylidineがヒトにメトヘモグロビン血症を引き起こした」との報告が記述されている。以上より、区分1(血液系)とした。 なお、ICSC(2007)には、「高濃度暴露すると、意識低下を引き起こすことがある。高濃度に暴露すると、メトヘモグロビンを生成することがある。これらの影響は遅れて現れることがある。医学的な経過観察が必要である」旨の記述があるが、投与量などの詳細については不明である。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
区分1のガイダンス値の範囲内で、「ラットの雄で肝臓の絶対及び相対重量の増加、腎臓の尿細管上皮硝子滴の増加、血色素量の減少、血小板数の増加、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、雌で総コレステロール量の増加、雌雄で小葉中心部の肝細胞肥大」(環境省リスク評価書第6巻(2008))が見られた旨記述されており、区分2のガイダンス値の範囲内で、「ラットの雌で肝臓の絶対及び相対重量の増加、腎臓相対重量の増加、血色素量の減少、プロトロンビン時間の短縮等を認めた」(環境省リスク評価書第6巻(2008))旨記述されている。肝臓への影響については、ACGIH(7th, 2001)にも、区分2のガイダンス値の範囲内で、「ラットの雄で肝細胞壊死、胆管過形成がみられた」旨の記述があるため、採用する。腎臓の尿細管上皮硝子滴の増加は、雄ラットのみにみられた症状なので採用しない。以上より、区分1(血液系、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 9.9mg/L(AQUIRE, 2008)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1978))ことから区分2とした。 |
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