名称:デシルアルコール(イソデシルアルコール)
CAS番号:25339-17-7
物質ID: | 1-257-1) |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | ICSC(1999)による引火点は104℃(開放式)であり、区分外に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点266℃(ICSC,1999))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与試験のLD50値4,720 mg/kg(PATTY(5th, 2001))、9,800 mg/kg(PATTY(5th, 2001))のうち、低値で最新のデータ4,720 mg/kgをLD50値として採用する。このLD50値は国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値 >2,600 mg/kg(PATTY(5th, 2001))、>3.56 mL/kg(2,937 mg/kg)(PATTY(5th, 2001))より、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | 本物質の飽和蒸気圧濃度(20℃)は14.8 ppm(0.096 mg/L)である。ラット、マウス、モルモットを用いた6時間吸入暴露試験において、95 ppmで死亡が確認されなかった(PATTY(5th, 2001))ことから、ミスト基準を適用する。4時間換算値は0.93 mg/Lより、LC50値は>0.93 mg/Lと推定されるが、区分を特定できないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギを用いた24時間皮膚刺激性試験で、「Moderately irritating」(PATTY(5th, 2001))、「Severely irritating」(PATTY(5th, 2001)、HSDB(2006))と記述されているが、いずれも4時間より厳しい条件であるため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験で、「severe eye irritant」(PATTY(5th, 2001))との記述があるが、一次文献(Am. Ind. Hyg. Assoc. J. 34(1974))を調査したところ、「24時間後のDraizeスコアは28で、7日後には回復する」旨、記述されている。以上より、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いたDraize試験で「not sensitizing」(IUCLID(2000))と記述されているが、List2の情報源であり、他にデータがないため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 体細胞in vitro変異原性試験(CHL V79細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP))で「陰性」(IUCLID(2000)、BUA 149(1996))の記述があるが、in vivo試験のデータがないため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 妊娠雌ラットを用いた経口投与試験で、「母動物の鼻汁や流涎、中枢神経系の低下の兆候が見られた投与量(1,580 mg/kg)で、子宮及び胎児の重量の低下、胎児の骨化遅延や奇形が認められた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があるが、1,580 mg/kgでは死亡例もあることから、母動物の一般毒性の二次的影響である可能性が考えられる。一次文献(Food Chem. Toxicol. 35(1997))を調査したところ、母動物に毒性が見られない790 mg/kgでは上記の胎児毒性は発現しない旨記述されていたが、母動物に軽度の影響が見られる投与量で胎児毒性が発現するかどうかが確認できず、1,580 mg/kgで胎児にみられた症状は母動物の一般毒性の二次的影響である可能性を否定できないため、分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
「鼻、咽喉、気道にsevereな刺激性」(PATTY(5th, 2001))、「気道を刺激する。短期間の暴露は中枢神経系の抑制を生じ得る」(ICSC(1999))旨の記述があることから、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに2週間、158 mg/kgを経口投与(90日換算値:26 mg/kg)した試験で、「睾丸の萎縮、肝臓の腫大、肝ペルオキシソームの誘導、低脂血症は見られなかった」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があるが、より高用量、長期間での試験データがないため、分類できない。 なお、BUA 149(1996)には、1,580mg/kgで「肝毒性作用の兆候」が見られたとの記述があるが、区分2のガイダンス値の範囲外での兆候である。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 3.5 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、適切な急速分解性データが得られていないことから、区分2とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |