名称:ペルオキソ二硫酸ジカリウム
CAS番号:7727-21-1
物質ID: | 1-395-1) |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる「隣接した酸素原子」を含むが国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1III(国連番号1492(ICSC, 2002))で区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる「隣接した酸素原子」を含むが国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1III(国連番号1492(ICSC, 2002))で区分外とした。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる「隣接した酸素原子」を含むが国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1III(国連番号1492(ICSC, 2002))で区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性の無機化合物。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性の無機化合物。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分3 | 警告 | H272: 火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1、容器等級 III(国連番号1492(ICSC, 2002))で区分3。 | |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50値1,130 mg/kg(雄)(SIDS(2005)、NICNAS(2001)、IUCLID(2000))から区分4とした。 なお、EU分類はXn; R22(EU-Annex I)であり、区分3-4に相当する。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経皮投与試験のLD50値>10,000 mg/kg(SIDS(2005)、NICNAS(2001))から区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた1時間吸入暴露試験のLC50値 >42.9 mg/L(SIDS(2005)、IUCLID(2000))とあり、固体なので粉塵基準を適用すると、4時間換算 LC50値は >10.7 mg/Lである。以上より、区分外とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
動物については、ウサギを用いた皮膚刺激試験で、「not irritating」(SIDS(2005))旨の記述があるが、暴露時間等の詳細は不明である。ヒトについては、本物質の17.5%水溶液を4時間適用した試験で「刺激性あり」(SIDS(2005))旨の記述がある。SIDS(2005)は結論として、ヒトについては本物質の5%以上の水溶液で「can cause skin irritation」と記述している。以上より区分2とした。 なお、EU分類はXi; R36/37/38(EU-Annex I)であり、区分2-3に相当する。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 動物については、「8匹のウサギを用いた眼刺激試験で、平均スコア値は角膜、虹彩、結膜いずれも0である」(SIDS(2005))旨の記述がある。また、NICNAS(2001)では、同じ試験について「marginal irritation to rabbit eyes」との記述がある。さらに、SIDS(2005)には、「ペルオキソニ硫酸塩類はヒトの眼に有害である」旨の記述があるが、他のデータがないため、データ不足で分類できない。 なお、EU分類はXi; R36/37/38(EU-Annex I)であり、区分2に相当する。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、in vivo 免疫学的試験(皮膚プリック試験)で「製造工場従業員の52人中2人が本物質のみに陽性、3人が類縁物質のジアンモニウム塩(CAS No. 7727-54-0)のみに陽性、3人が本物質とジアンモニウム塩両方に陽性であった。陽性結果と肺機能のわずかな低下には相関傾向がみられた」(SIDS(2005))旨の記述がある。また、SIDS(2005)では、美容師に職業性喘息の報告もあり、「ヒトでの試験報告は、本物質が職業暴露で呼吸器感作性物質であることを示す」と結論している。以上より、区分1とした。 なお、EU分類はXi; R42/43(EU-Annex I)であり、区分1に相当する。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、SIDS(2005)では、本物質の2.5 % 溶液を適用したパッチテストで研究補助業務で1件、美容師について1件の陽性報告が記述されている。また、類縁物質のジアンモニウム塩(CAS No. 7727-54-0)については、美容師に職業暴露として、「湿疹、皮膚病、吹き出物がみられた」(SIDS(2005))、「アレルギー性皮膚炎がみられた」(NICNAS(2001))旨の記述があり、SIDS(2005)は「ヒトでの試験報告は、本物質が職業暴露で皮膚感作性物質であることを示す」と結論している。以上より、区分1とした。 なお、EU分類はXi; R42/43(EU-Annex I)であり、区分1に相当する。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 なお、類縁物質であるペルオキソニ硫酸ジナトリウム(CAS No. 7775-27-1)では、in vivoの変異原性試験(マウス赤血球を用いた小核試験)、in vivoの遺伝毒性試験(ラット肝細胞を用いたUDS試験)でそれぞれ「陰性」(SIDS(2005)、NICNAS(2001))との記述がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データがないので分類できない。 なお、類縁物質であるジアンモニウム塩(CAS No. 7727-54-0)の分類結果も参照のこと。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 なお、類縁物質であるジアンモニウム塩(CAS No. 7727-54-0)の分類結果も参照のこと。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの経口致死量を求める単回投与試験で、「活動低下(depression)、浅い呼吸(weak breathing)、呼吸促迫が認められた。これらの症状は、生存動物においては4日以内に回復した」(SIDS(2005))旨の記述がある。この影響は区分2のガイダンス値の範囲内で見られた。また、ヒト影響として、「鼻汁、呼吸困難」(SIDS(2005))との記述もある。以上より、区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性)とした。 なお、類縁物質であるジアンモニウム塩(CAS No. 7727-54-0)の分類結果も参照のこと。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 雄ラットを用いた28日間反復経口投与試験で、「毒性影響はない」(SIDS(2005))旨の記述があるが、非公開データのため詳細が不明である。他の試験データもないため、データ不足により分類できない。 なお、類縁物質であるジアンモニウム塩(CAS No. 7727-54-0)の分類結果も参照のこと。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 92 mg/L(AQUIRE, 2008)より、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 水溶液が強酸となることが毒性の要因と考えられるが、環境水中では緩衝作用により毒性影響が緩和されるため、区分外とした。 |
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