名称:ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)
CAS番号:1763-23-1
物質ID: | 1-396 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験LD50値 154 mg/kg(環境省リスク評価書第6巻(2008))から区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 なお、類縁物質のペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)カリウム塩(CAS No. 2795-39-3)について、LC50値 5.2 mg/L(4時間換算値:1.3 mg/L)(環境省リスク評価書第6巻(2008))との記述がある。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | HSDB(2003)のAnimal Toxicity Studiesの項に、「non-irritating」との記述がある。また、環境省リスク評価書第6巻(2008)に、「本物質のK 塩はウサギの眼を刺激したが、皮膚を刺激しなかった」との記述がある。さらに、急性毒性(経口)で参照した、環境省リスク評価書第6巻(2008)の引用文献OECD: Co-operation on Existing Chemicals - Hazard Assessment of Perfluorooctane Sulfonate and its Salts.ENV/JM/RD(2002)17/FINAL.JT00135607 を確認したところ、ウサギ6匹を用いた皮膚刺激性試験で、「primary skin irritation scores ; 0」の旨、記述されていた。以上より、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
HSDB(2003)のAnimal Toxicity Studiesの項に、「mildly irritating」との記述がある。また、環境省リスク評価書第6巻(2008)に、「本物質のK 塩はウサギの眼を刺激したが、皮膚を刺激しなかった」との記述がある。以上より、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | in vitroの変異原性試験では、ラットの肝臓上皮細胞(WB-F344)を用いた試験で「陽性」(環境省リスク評価書第6巻(2008))、ネズミチフス菌を用いたAmes試験で「陰性」(NTP DB(Access on October 2008))との記述がある。本物質として採用可能なin vivo試験のデータはないが、水溶解度が同程度である類縁物質のペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)カリウム塩(CAS番号2795-39-3)のデータを採用すると、環境省リスク評価書第6巻(2008)に、体細胞in vivo変異原性試験(マウス骨髄を用いた小核試験)で「小核を誘発しなかった」との記述があるので、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 国際的に主要な評価機関による評価がなされておらず、データが不十分なため分類できない。 なお、本物質として採用可能なデータはないが、環境省リスク評価書第6巻(2008)に、類縁物質であるペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)カリウム塩(CAS番号2795-39-3)のデータとして、雌雄ラットを用いた104週間混餌投与試験で、「雌雄ともに肝細胞腺腫が有意に用量依存的な増加を示した」旨の記述がある。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠7-20日のウサギに強制経口投与した試験において、「母動物に有意な体重増加抑制がみられる用量で、22匹中10匹が流産し、胎児の有意な低体重、胸骨分節や若干の骨化遅延がみられた」(環境省リスク評価書第6巻(2008))との記述がある。引用文献Oral(Stomach Tube)Developmental Toxicity Study of PFOS in Rabbits. Protocol No. 418-012. Argus Research Laboratories, Inc. U.S.EPA AR226-0949.(1999)を精査すると、「流産は高用量群では用量依存性であり、最高用量群では有意であった。流産したウサギ10匹の内訳は2.5 mg/kg/day群で1匹、最高用量群の3.75 mg/kg/dayで9匹であった」旨の記述がある。以上より区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 本物質として採用可能なデータがないため、分類できない。 なお、類縁物質であるペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム塩(CAS番号2795-39-3)については、ラットを用いた90日間経口投与試験で、「雄で肝臓の相対重量の有意な増加、副腎の絶対及び相対重量、甲状腺及び副甲状腺の絶対重量、脳下垂体の絶対重量の有意な減少、雌で肝臓の絶対及び相対重量の有意な増加、雌雄で腎臓の相対重量の有意な増加、体重減少、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、白血球数の有意な減少、肝臓の退色や腫脹、胃の腺粘膜の退色、肝細胞の肥大と限局性の壊死」(環境省リスク評価書第6巻(2008))がみられたとの記述がある。しかし、「雄の臓器重量の変化は高用量群でみられなかったことから、生物学的な意義は不明である」旨の記述もある。これらの影響は区分1のガイダンス値の範囲内でみられたので、区分1(肝臓、血液系)に相当する。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(Mysid)の96時間LC50 = 3.34mg/L(環境リスク初期評価, 2008)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから区分2とした。 |
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