名称:ベンゾフェノン
CAS番号:119-61-9
物質ID: | 1-403 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50値 1,900 mg/kg(NTP TR533(2006))との記述と、マウスを用いた経口投与試験のLD50値 1,600 mg/kg(PATTY(5th, 2001))との記述から、ラットのLD50値 1,900 mg/kgを採用し区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値 3,535 mg/kg(NTP TR533(2006))から区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた24時間パッチテストで「slightな刺激性」、「紅班、落屑、slightからmoderateな浮腫が見られた」(PATTY(5th, 2001))との記述と、ウサギに20%溶液を24時間適用したDraize試験で、「slightな刺激性」(IUCLID(2000))との記述がある。また、ウサギの有傷皮膚を20%溶液で処理した試験で「異常角化症、局所的壊死を伴うslightからmediumな浮腫が生じた。皮膚刺激指数は2.0であり、mediumな刺激性を示した」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。データが不十分なので、分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギの眼への結晶滴下試験で「1時間から24時間まで、結膜と瞬膜にslight からmoderateな発赤を生じた。48時間まで3匹中1匹にslightな発赤がみられ、14日後に全ての眼は正常になった」(PATTY(5th, 2001))との記述から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験(Open Epicutaneous試験、Maximization試験、Draize試験、Freund's Complete Adjuvant試験)で「感作性なし」(PATTY(5th, 2001))との記述から、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞を用いたin vivo 変異原性試験(マウスの赤血球を用いる小核試験)で「陰性」(NTP DB(Access on September 2008))との記述から、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた二年間経口投与試験で、「尿細管腺腫、白血病が発生した」(NTP DB(Access on September 2008))旨の記述と、マウスを用いた二年間経口投与試験で「肝細胞がん、肉腫が発生した」(NTP DB(Access on September 2008))旨の記述がある。NTP DB(Access on September 2008)では、「本物質が雄ラット、雌雄マウスで発がんするというある程度の証拠、雌ラットが発がんするというあいまいな証拠がある」と結論づけていることから、区分2とした。 なお、主要な国際的評価機関による評価はなされていない。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに妊娠6-19日に反復経口投与した試験で、母動物の肝臓、腎臓重量が増加する投与量で、「出産後の生存能力、または全体的な胎児の奇形と変異の発生率において影響がなかった」(NTP DB(Access on September 2008))との記述と、ラットの二世代反復経口投与試験で、母動物の体重増加抑制がみられる用量で、「エストロゲン周期、生殖能、出産、授乳、精子パラメーター、血清ホルモンまたは壊死の出現に本物質に関連した変化がみられず、雄児動物で体重増加の抑制がみられた。雌雄児動物で、出生数、生存能力、肛門性器間距離において影響はなかった」(HSDB(2007))との記述がある。また、ウサギに妊娠6-29日に反復経口投与した試験で、「一腹当たりの胎児平均体重に用量依存的な減少がみられたが、出生前の生存率や胎児奇形または変異に変化は見られなかった。用量依存的な母動物の死亡や早産・流産が見られたが、これらの用量群では、投与ミスや動物の育種での逸脱があった」(NTP DB(Access on September 2008))旨の記述がある。従って、ウサギを用いた試験で、母動物に死亡が認められた用量で認められた早産・流産は、二次的影響の可能性があるので判定には採用せず、それ以外の試験結果から判断し、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 なお、吸入時の急性毒性症状として「咽頭炎」(ICSC(1997))との記述がある。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓、腎臓、血液系、骨髄) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、腎臓、血液系、骨髄) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット及びマウスを用いた2年間反復経口投与試験で「腎症が雄ラット及び雌雄マウスで増加」、「肝細胞小葉中心性肥大が雌雄のラット及びマウスで増加し、雌雄マウスでは肝細胞の多核化及び慢性炎症も増加」、「脾臓リンパ小節の過形成が有意に増加した」、「雌雄ラットに30 mg/kg用量群と60 mg/kg用量群で骨髄線維症が見られた」(NTP TR 533(2006))旨の記述がある。また、ラットを用いた28日間反復経口投与試験において「雌ラットで溶血、血清アルブミンの増加、腎重量の増加」(PATTY(5th,2001))が記述されており、同じ試験について、HSDB(2007)では「投与に関連して赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値、ビリルビン等が変化した」旨、記述されている。これら全ての影響は区分2のガイダンス値の範囲内で見られた。以上より区分2(肝臓、腎臓、血液系、骨髄)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50 = 3.5mg/L(環境庁生態影響試験, 1998)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1980))ことから区分2とした。 |
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