名称:3-メチルチオプロパナール
CAS番号:3268-49-3
物質ID: | 1-437 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IUCLID(2000)による引火点は63℃(密閉式)であり、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点255℃(ICSC,1997))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値 490 mg/kg(雄)、1,050 mg/kg(雌)(SIDS(2003))から、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経皮投与試験(OECD TG 402)のLD50値 2,631 mg/kg(SIDS(2003))、ウサギを用いた経皮投与試験(OECD TG 402)のLD50値 748-1,700 mg/kg(SIDS(2003))のうち、試験年度が新しく低値である748 mg/kgから、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた4時間吸入暴露試験(OECD TG 403、GLP)でLC50値が1,036-1,105 ppm(雄)、>1,105 ppm(雌)(SIDS(2003))との記述があり、SIDS(2003)ではLC50値を1,036-1,105 ppmとしている。本物質の飽和蒸気圧濃度1,970 ppm(20℃)より、気体基準を適用し、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
SIDS(2003)に、ウサギを用いた4時間皮膚刺激性試験で「slight irritation」との結果と、「壊死」との結果が記述されている。これらを含む多くの実験結果に基づき、SIDS(2003)は「皮膚刺激性有り」と結論しているので、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
SIDS(2003)に、ウサギを用いた眼刺激性/腐食性試験(OECD TG 405)で、「観察期間中に回復しない結膜浮腫、角膜混濁がみられた」旨の記述があり、SIDS(2003)はこの実験結果に基づき「非可逆的損傷を起こす」と結論しているので、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
SIDS(2003)に、GLPと非GLPによるモルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406)で「skin sensitizing potential」と記述されており、SIDS(2003)では「mild skin sensitizing」と結論しているので、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞in vivo変異原性試験(マウスを用いた小核試験)(OECD TG 474、GLP)で「陰性」(SIDS(2003))の記述より、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | SIDS(2003)に、雄ラットを用いた28日間経口投与試験で「生殖器に影響はみられなかった」旨の記述と、雌雄ラットを用いた9日間吸入暴露試験で「生殖器に影響はみられなかった」旨の記述がある。また、ラットを用いた吸入暴露による出生前発生毒性試験(OECD TG 414、GLP)で「母動物の体重と摂餌量の減少がみられる用量で、着床、胚、胎児に影響はみられない」旨の記述がある。しかし、生殖能への影響や、出生後の児に対する影響についてのデータがないので、分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1/2(全身毒性) | 危険 | H370: 臓器の障害(全身毒性) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)において「呼吸困難、鼻汁、湿性ラ音、運動失調、自発運動の低下」(SIDS(2003))、ウサギを用いた経皮投与試験(OECD TG 402)において「自発運動の低下、運動失調」(SIDS(2003))の記述があるが、投与量が不明のため、区分1/2(全身毒性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓、中枢神経系) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、中枢神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた28日間経口投与試験(OECD TG 407)において、「521 mg/kg(90日換算値:162 mg/kg)群の雌雄で赤血球数及びヘモグロビン値の低下、ビリルビン増加、組織病理学的検査において赤碑髄への色素及び血液の沈着が見られ、104 mg/kg及び521 mg/kg群の雄でクレアチニンのわずかな増加が見られた」(SIDS(2003))旨の記述があり、SIDS(2003)では「521 mg/kg群でわずかに溶血性を生じる。NOAEL:104 mg/kg」と結論している。また、ラットを用いた21日間経皮投与試験において、「1,650 mg/kgまでの投与で血液学的、生化学的、組織学的変化はみられなかった」(IUCLID(2000))旨の記述がある。一方、ラットを用いた100日間吸入暴露試験で「肝臓の酸化還元機能への影響(酸素要求量減少、カタラーゼ活性減少、血中乳酸、ピルビン酸減少)、中枢神経系影響」(IUCLID(2000))が、ガイダンス値から判断すると区分1相当でみられるが、List2のデータであって、判定基準1b3)を満たさないため、本ガイダンスに従って区分2(肝臓、中枢神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50 = 0.99mg/L(環境省生態影響試験, 1998)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分1であるが、急速分解性があり(DOCによる分解度:92%(SIDS, 2005))、生物蓄積性が無い(Logk = 0.34, IUCLID, 2000)ことが推察されることから区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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