GHS分類結果

名称:サフロール
CAS番号:94-59-7

結果:
物質ID: 2-021
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - HSDB(2005)による引火点は100℃(密閉式)であり、区分外に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - 液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 化学構造に不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - 液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験のLD50値1,950 mg/kg(JECFA(1980)、HSDB(2005))から、区分4とした。 なお、EU分類はXn;R22である(EU-Annex I)。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値>5,000mg/kg(HSDB(2005))から、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - ウサギを用いた24時間皮膚刺激性試験で「moderately irritating」(HSDB(2005))、マウスを用いた皮膚刺激性試験で「not irritating」(HSDB(2005))の記述がある。これらのデータは一次文献入手不可で詳細不明のため、分類できない。 なお、List3の情報源であるが、ウサギを用いた24時間Draize試験で「Moderate」(RTECS(2007))の記述がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - ヒト(ボランティア、25人)のMaximization試験で「陰性」(HSDB(2005))の記述があるがList2の情報源でありデータ不足のため、分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
体細胞in vivo遺伝毒性試験(ラット肝細胞を用いた姉妹染色分体交換試験、ラット肝細胞を用いたDNA付加体形成試験)で「陽性」(HSDB(2005))の記述があり、in vitro変異原性試験で「陽性」(マウスリンフォーマ試験)(NTP DB(Access on October 2008))と「陰性」(CHO細胞を用いた染色体異常試験)(NTP DB(Access on October 2008))の記述があるが、専門家判断により、区分2とした。 なお、EU分類はMuta. Cat. 3; R68である(EU-Annex I)。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARCでグループ2B(IARC 10(Suppl.7 1987))、NTPでカテゴリーR(NTP RoC(11th 2005))に分類されているので区分2とした。 なおEU分類はCat.2、R45(EU-Annex I)である。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 生殖発生毒性試験データがないため、分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
HSDB(2005)に、ヒトの急性症状として、「吐き気、ショック症状、チアノーゼ、幻覚、循環虚脱、痙攣、縮瞳、めまい、知覚麻痺、失語、呼吸抑制」が記述されているので、区分2(中枢神経系)とした。また、List3の情報源のデータであるが、ウサギを用いた試験でも区分2のガイダンス値の範囲内で「痙性麻痺、運動失調」(RTECS(2007)の記述がある。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、骨格筋) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、骨格筋) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
雌雄ラットを用いた経口投与試験で「肝臓の損傷」(JECFA(1980))、また、雌雄イヌを用いた経口投与試験において「骨格筋の萎縮」、「重度の肝臓脂肪浸潤」、「肝細胞の萎縮、類壊死」(JECFA(1980)、HSDB)が、区分2のガイダンス値の範囲内でみられたので、区分2(肝臓、骨格筋)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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