名称:2,3-ジブロモ-1-プロパノール
CAS番号:96-13-9
物質ID: | 2-047 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50値681mg/kg(RTECS(2008))から区分4とした。 なお、EU分類はXn; R20/22である(EU-Annex I)。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値316mg/kg(RTECS(2008))から区分3とした。 なお、EU分類はR24である(EU-Annex I)。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | 25℃における飽和蒸気圧濃度は118.4 ppm(1.06 mg/L)である。ラットを用いた4時間吸入暴露試験のLC50値 9.92 mg/L(RTECS(2008))は飽和蒸気圧濃度より大きいので、粉塵・ミスト基準を適用し、区分外とした。 なお、EU分類はR20/22である(EU-Annex I)。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 なお、ラットを用いた反復経皮投与試験で、「375 mg/kgの投与で半数近くのラットに、投与側の皮膚に過角化症、上皮性新生物等がみられた」(NTP TR400(1993))旨の記述がある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞in vivo変異原性試験(マウス骨髄細胞を用いた小核試験)で陰性(IARC 77(2000)、NTP DB(Access on September 2008)、NTP RoC(11th, 2002)、NTP TR 400(1993))であることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCがグループ2B(IARC 77(2000))、日本産業衛生学会が2B(産衛学会勧告(2006))、NTPの分類がR(NTP RoC(11th, 2002))、EU分類が2(EU-Annex I)である。IARCの分類を優先して区分2とした。 なお、雄マウスを用いた36-39週間経皮投与試験及び雌マウスを用いた39-42週間経皮投与試験で、「肺腺腫の増加、気管支蓋上皮の限局性過形成がみられた」(IARC(2000))旨の記述があり、呼吸器の発がん作用の可能性がある。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた精子形態検査及び膣細胞診で、投与されたラットの精子運動性は影響を受けないが、精子濃度は減少した(NTP TR400(1993))との記述がある。一方、発情期の長さや様ーな発情段階の相対頻度に変化を与えなかった(NTP TR400(1993))との記述がある。生殖機能への影響が明確でないため分類できない。 なお、EU分類 はCat. 3; R62である(EU-Annex I)。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(消化器系、腎臓、肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(消化器系、腎臓、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた48-55週間経皮投与試験で、「前胃及び食道での過角化症、鼻での上皮過形成の発生率の増加、肝臓での細胞の多形態性や好塩基性の明らかな細胞変化が認められた。また、雄で、腎臓での核肥大、前胃での潰瘍や棘細胞増生、肝臓での血管拡張、腎臓の過形成がみられ、雌では、前胃での上皮異形成、胆管の過形成が観察された」(IARC 77(2000)、NTP TR400(1993))旨の記述がある。また、マウスを用いた36-42週間経皮投与試験で、前胃の上皮異形成、細気管支上皮の多形態性の発生率の増加が認められた(IARC(2000)、NTP TR400(1993))との記述がある。いずれも区分2のガイダンス値の範囲内でみられたので、区分2(消化器系、腎臓、肝臓)とした。呼吸器系については、塗布した試料の吸入による発症の可能性があり、区分が特定できないため採用しないが、呼吸器系に有害な影響を生じる可能性があるので注意が必要である。呼吸器系については、発がん性の項目を参照のこと。 なお、ラットを用いた精子形態検査及び膣細胞診で、「投与されたラットの尾、精巣、精巣上体の重量が著しく減少した」(NTP TR400(1993))との記述があり、精巣が標的臓器と考えられるが、投与経路が不明であり、区分を特定できないため採用しない。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 71 mg/L(AQUIRE, 2008)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分3とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |