GHS分類結果

名称:パリゴルスカイト
CAS番号:12174-11-7

結果:
物質ID: 2-073
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性の無機化合物である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性の無機化合物である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性の無機化合物である。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 不溶性の無機化合(粘土鉱物)。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 区分外 - - - - 含水ケイ酸塩鉱物(粘土鉱物)であり、区分外とした。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の固体であるため、ガスの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがないので分類できない。 なお、20℃での蒸発はごくわずかだが、分散すると迅速に浮遊粒子の有害濃度に達する(ICSC(2005))との記述がある。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
歯科助手の眼に直接接触した事例では、「severe」な前部ブドウ膜炎と角膜膿瘍を生じた(HSDB(2003))との記述がある。回復性に関する記述がないため区分2Aとした。 なお、「本物質は、粘土鉱床において繊維鎖状鉱物として存在する」(IARC 68(1997))との記述から、本物質の眼に対する影響は、繊維状物質による機械的損傷によるものである可能性が推察される。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitro遺伝毒性試験としてラット肝臓培養細胞を用いる不定期DNA 合成試験で陰性、ラット胸腺中皮細胞を用いる姉妹染色分体交換試験で陰性(IARC 68(1997))との記述があるが、in vivo変異原性試験等のデータがないので分類できない。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARCが、本物質のファイバー長が5μmより長いものに限定してグループ2Bと評価している(IARC 68(1997))ことから、区分2とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた12ヶ月間吸入暴露試験で、「気管支肺胞の過形成…がみられた。本物質の約20%はファイバー長が6μmより長い」(MAK/BAT(1993))旨の記述があり、この影響は区分1のガイダンス値の範囲内でみられた。以上より、区分1(呼吸器系)とした。 なお、2μmより短いファイバー長の反復吸入暴露試験では、有意な影響はみられなかった(MAK/BAT(1993))との記述がある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る