名称:オルト‐フェニルフェノール
CAS番号:90-43-7
物質ID: | 20A2016 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が概ね70℃を超えるので、常温では自然発火しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体状物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットの経口LD50値、2800mg/kg(DFGOT(1991))、2600-2800mg/kg(PATTY 5th,(2001))および、3000mg/kg(IARC(1989))に基づきJIS分類基準による区分外(国連分類の区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギ 経皮LD50 > 5000 mg/kg(PATTY 5th,(2001))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットのばく露4時間若しくは4時間換算でのLC50値、>0.24 mg/L(IUCLID(2000)が得られているが、区分を特定できないため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた試験(OECD ガイドライン404準拠)で得られたslightly irritating(軽度の刺激性)〜highly irritating(重度の刺激性)の結果(IUCLID(2000))の基づき区分2とした。 なお、ヒトまたはウサギに0.1%水溶液を24時間適用した場合に刺激性が認められなかった報告がある(DFGOT(1991)) | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験で得られたmoderately irritating(中等度の刺激性)〜highly irritating(重度の刺激性)の結果(IUCLID(2000))に基づき区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットのMaximization TestおよびBuehler Testのいずれ方法によっても皮膚感作性は見出されず(IUCLID(2000)、PATTY 5th,(2001))、またヒトで200人の被験者を用い感作性について調べた結果、感作性が認められなかった(PATTY 5th,(2001))ことから「区分外」とした。 なお、ヒトに本物質の1%ワセリン液を適用した試験で588人中7人が陽性反応を示したとの報告があるが、反応の程度については説明されていない。また、重度の接触皮膚炎を起こした2例の職業暴露に付いて、それぞれハンドクリームあるいは金属加工油中の本物質の影響とされた報告もある(DFGOT(1991))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いた優性致死試験(in vivo経世代変異原性試験)、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性結果が得られている(IARC(1999)vol.73、IARC(1983)vol.30)ことに基づき、区分外とした。なお、ラットの経口投与による骨髄細胞染色体異常試験で陰性の結果が得られている(IARC(1999)vol.73)。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCによりGroup 3に分類されているので区分外とした。 なお、ラットおよびマウスに2年間混餌投与した試験で、ラットでは尿路上皮の過形成を含め腎臓と膀胱に腫瘍性の変化、マウスの場合は肝細胞腺腫の発生頻度の増加がそれぞれ認められているが、いずれも雄の中間用量以上での所見で雌では観察されていない(PATTY 5th,(2001))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた2世代生殖試験において、親動物の体重増加抑制、腎臓や膀胱の組織学的変化など一般毒性が認められた用量で生殖および発生に影響がなかったこと(PATTY 5th,(2001))、かつ、ラット、ウサギおよびマウスの3種の動物の器官形成期にばく露した試験で、各動物とも高用量での体重増加抑制、死亡、腎臓など臓器の病理学的変化が報告されたが、催奇形性を含む仔の発生に悪影響が観察されていないこと(IARC(1999)Vol.73、(PATTY 5th,(2001))5th、CERIハザードデータ集(2007))から、区分外とした。なお、ラットの器官形成期のばく露で吸収胚増加の記述があるが、ラットを用いた同種の2試験の一方のみの結果のため偶発的可能性も考えられる。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた3ヵ月の経口ばく露試験において1000〜1500 mg/kg/dayの用量で腎臓の病理学的所見が観察されているが、他のラットを用いた3ヵ月または6ヶ月の経口ばく露試験において500〜1000 mg/kg/dayの用量で、病理学的所見は観察されていない(DFGOT(1991))。また、ラットの12あるいは13週間経口ばく露した2つの試験では、NOAELが420 mg/kg/day以上または780 mg/kg/day以上と報告されている(PATTY 5th(2001))。一方、マウスの2年間経口ばく露試験では250 mg/kg/day以上で体重増加抑制および肝臓の組織学的変化が観察され、NOELとして100 mg/kg/dayが示唆されている(PATTY 5th(2001))。ヒトでの報告はなく、動物を用いた試験結果では臓器毒性が認められるのはガイダンス値よりも高用量の場合であることから区分外(経口)に該当するが、他経路のデータがないことからデータ不足で分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50が0.71 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分1であるが、急速分解性があり(BODによる分解度:47-86%(既存点検, 1980))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 3.09(SRC, 2005))ことから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |