名称:3,4-ジクロロアニリン
CAS番号:95-76-1
物質ID: | 20A2024 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | NFPA (13th, 2006)の分類は1であり通常の燃焼性物質に相当する。しかしERG (2008)では易燃性ではないとされており分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点260℃以上(ICSC(2000), NFPA(13th, 2006))で70℃以上である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点72℃(Ullmanns(6th, 2003), Chapman(ver.16.1, 2008), HODOC(3rd, 1997), Lide(88th, 2008), ICSC(2000), NFPA(13th, 2006))であり、融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | Clを含むが、炭素とのみ結合している有機物質である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点72℃(Ullmanns(6th, 2003), Chapman(ver.16.1, 2008), HODOC(3rd, 1997), Lide(88th, 2008), ICSC(2000), NFPA(13th, 2006))であり、固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50(雄:570, 880, 510, 545 mg/kg bw, 雌:530, 470 mg/kg bw)(EU-RAR(65, 2006), PATTY(5th, 2001))が得られたことから区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50:300, 631mg/kg bw(EU-RAR 65, 2006)より、毒性の強い300mg/kg bwに基づいて区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにミスト(aerosol)で4時間ばく露した試験で、LC50:3.3mg/lおよび0.631mg/l(EU-ARA(65, 2006))であることから、毒性の強い0.631mg/lに基づいて区分3とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いたDraize試験において、グレード1の紅班がみられたが2日間で改善する可逆的症状であり、浮腫はみられないことから(EU-RAR 65, 2006)、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いたDraize試験において、結膜および虹彩への刺激性が中等度とされ、14日目にこれら症状は回復したが、3匹中2匹において角膜の血管新生が7日目に始まり14日目後も見られた(EU-RAR65, 2006)。14日目に回復がみられたことから2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いた皮膚感作性試験(maximization test)において、刺激性(陽性反応)を示した(EU-RAR(65, 2006))ことから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの経口または腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)における陰性結果(EU-RAR(65, 2006))に基づき、区分外とした。なお、in vitro変異原性試験(エームステスト、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験)のいずれも陰性(EU RAR 65(2006))である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 妊娠中のラットに経口投与した試験(EU-RAR(65, 2006))で胚または胎仔の発生に悪影響は認められなかったが、親動物の生殖毒性に関するデータがなく分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系、血液系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(神経系、血液系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口試験において、500-800mg/kgで後肢の麻痺がみられた。ラットを用いた130-1500mg/kgの24時間経皮投与試験においては、全投与群にチアノーゼがみられ、ラットの4時間吸入試験(飽和蒸気圧0.055mg/lでありミスト)2.8mg/L群でメトヘモグロビンの高値がみられた(EU-RAR(65, 2006))ことから、区分2(神経系、血液系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの2週間の吸入試験(1日6時間、週5日間)で、メトヘモグロビンの高値、脾臓へのヘモジデリン沈着が(45mg/m3, 90日換算値:0.007mg/L)以上でみられ、ラットの6ヶ月の経口投与試験においてガイダンス値の区分2に相当する20mg/kgの用量でメトヘモグロビンの高値が報告されている(EU-RAR 65, 2006)ことから、ラットの2週間の吸入試験の結果に基づき区分1(血液系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.55 mg/L(環境省生態影響試験, 1995)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検データ, 1979))ことから区分1とした。 |
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