名称:テトラヒドロフルフリルアルコール
CAS番号:97-99-4
物質ID: | 20A2026 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点が84℃(Merck No. 9213)であることより、93℃以下、60℃以上である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が282℃(HSDB(2003)で70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットの試験において、2000 mg/kgで死亡なし[OECD TG 423](厚労省報告(2008))の記述から区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50(6hr)= 52.8 mg/L(4hr換算値79.2 mg/L)(SIDS(2005))に基づき区分外とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
モルモットおよびヒトを用いた試験の結果がいずれも中等度の刺激性(moderately irritating)」記述されている(SIDS(2005),PATTY(5th, 2001))ことから区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた複数の試験において、刺激性なし(not irritating)、刺激性(irritant)、中等度〜重度の刺激性(moderate to severe irritation.)との結果が得られている(SIDS(2005))。また、ヒトでの情報は乏しいが一つの文献では眼に対し強い刺激物として言及している(SIDS(2005))。以上の結果および情報を総合して区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vitro変異原性試験(エームス試験、染色体異常試験)の陰性結果(SIDS(2005))のみで、in vivivoのデータがなく分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに交配14日前より雄は47日間、雌は授乳4日まで経口投与による予備生殖毒性スクリーニング試験[OECD TG 421]において、雌500 mg/kg/dayで性周期延長、分娩がなく子宮検査では早期胚吸収が判明し、150 mg/kg/day以上で妊娠期間延長、妊娠率、出産率、出生率、生後4日目生存率などの低下が見られた(SIDS(2005))。さらに器官形成期に経口投与した試験では500 mg/kg/day以上で100%早期吸収であった(SIDS(2005))。一方、これらの影響用量では同時に親動物の体重増加抑制および摂餌量低下が観察されている。以上の結果から、親動物での一般毒性が発現している用量で早期吸収、出産率あるいは出生率の低下などの生殖毒性が認められたことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | 警告 | H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
DHP 13th(2002)にFatal dose: 2300 mg/kg, irritation: +, CNS effects: +とあり、ガイダンスの範囲値超で中枢神経系影響が示唆される。ラットに2000 mg/kg経口投与により、自発運動低下、筋緊張低下が投与後1時間以降に認められたが、翌日には回復していた(SIDS(2005))。また、2.38 mg/L/4hr(蒸気)の吸入ばく露により協調性消失、虚脱、血管拡張の症状が記述され(PATTY(5th, 2001))、マウスの急性毒性試験(LD50=2300mg/kg)で影響として麻酔性の記載があり(RTECS(2000))、吸入の急性症状で「めまい、し眠、意識喪失」の記載がある(ICSC(J)(1994))ことより区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(脾臓、精巣) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(脾臓、精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに50〜500 ppm(0.209〜2.089 mg/L/6hr)を13週間吸入ばく露(蒸気)した2つの試験で、活動低下と間欠性全身痙縮が現れた後に運動亢進を示し、間欠性全身痙縮は用量依存的であったと述べられている(SIDS(2005))が、間欠性全身痙縮は1時間には目立たなくなる。500ppmは区分2のガイダンス値の上限をわずかに超えていることから、これらの神経毒性影響は重大な毒性影響とは思われない。ラットの28日間反復経口投与試験の結果として、150 mg/kg/day(90日補正用量:46.7 mg/kg/day)以上で脾臓の被膜炎症並びに精巣の精上皮細胞壊死が記述されている(厚労省報告(Access on May 2008))ことより区分2(脾臓、精巣)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類(メダカ)の96時間LC50 > 100 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 > 92 mg/L、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50 > 100 mg/L(いずれも環境省生態影響試験, 2002)から、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度>250g/L(SIDS, 2006))、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 |
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