名称:アクリル酸2-エチルヘキシル
CAS番号:103-11-7
物質ID: | 20A2033 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点87℃(Ullmanns(6th, 2003))であり、判定基準に基づいて区分4(引火点>60℃および≦93℃)とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 不飽和結合として、アクリル基を含むが、試験結果情報がなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が252℃(Howard(1986), ICSC(2003), ICSC(J)(2003), NFPA(11th, 2004))であり、発火点70℃以上であることから区分外とした。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットにおけるLD50値 5700mg/kg、4430mg/kg(EU-RAR, 2005)、5660mg/kg、6400-12800mg/kg(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギにおけるLD50値 >10000mg/kg および14180mg/kg(EU-RAR, 2005)に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | マウスのLC50値>0.6mg/L(IUCLID(2000))であるが、暴露時間が不明。LC50値>450 mg/m3(RTECS(2006))であるが暴露時間と動物種が不明のため、データ不足で分類できないとした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | マウスのLC50値>7.713mg/L/30min.(換算値: >0.964 mg/L/4h)(IUCLID(2000))が得られたが、区分の特定ができず分類ができない。ラットのTCLo値 6.2g/m3/L/6h(換算値: 9.3mg/L/4h)(RTECS(2000))において死亡なしのデータがあり、これは区分外に当たる。以上、ラットの結果に基づき区分外とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギにおける紅斑のDraizeスコア平均値:処置後24時間(3.2)および72時間(2.7)(EU-RAR, 2005)の結果に基づき、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギにおいて、角膜に壊死がみられたとの報告があるが回復性は不明である(EU-RAR, 2005)。眼への刺激性は動物実験では皮膚ほど重篤でないとの記載もあり(EU-RAR, 2005)、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおいて、UV処理されたラッカー染料によって皮膚炎を起こした患者4人のうち2人が本物質に対して陽性反応を示した(DFGOT(vol.16, 1999))。また、ポリエチレングリコールジメタクリレートにアレルギーを持つ患者1人が0.5%濃度の本物質を暴露した72時間後に(DFGOT(vol.16, 1999))、7人の男性ボランティア全員(EU-RAR(2005))、および14人において(EU-RAR(2005))パッチテストに陽性反応がみられた。また、モルモットによるアジュバントを用いたMaximization試験にて、3%群で11/19匹が陽性反応を示した。以上の結果から、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスの骨髄培養細胞を用いた小核試験において明確な結果が得られていない(EU-RAR, 2005)。in vitro試験では、エームス試験および不定期DNA合成試験で陰性、マウスリンフォーマ試験、CHO細胞によるHPRT試験およびラット肝細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で弱陽性を示し強い陽性反応は見られなかった。以上のことから、分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | マウス(雄:C3H/HeJ)を用いた皮膚塗布試験において、中高用量群において乳腺腫、扁平上皮癌および悪性黒色腫、中用量群でのみ基底細胞癌および高用量群でのみ血管腫が増加した。マウス(雄:NMRI)の皮膚塗布試験では、腫瘍の増加はみられなかった(EU-RAR, 2005)。以上の所見が得られたが、IARCにおいてGroup3(HSDB(2004)、またマウス塗布試験の結果は発がん性の有効な証拠とはならない(SIDS(J), access on 10. 2008))の記述に基づき、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた吸入試験において、雌雄の生殖器への影響および胚、催奇性、仔への毒性が認められなかった(EU-RAR, 2005)が生殖能力についての報告が無いことから、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | 警告 | H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験(投与量不明)(EU-RAR(2005))において、無気力(apathy)、麻酔効果(narcotic state)および下痢、マウスを用いた経口試験(2500, 5000 mg/kg)(EU-RAR, 2005)では、自発運動量の低下、運動失調および腹式呼吸の症状がみられた。以上、不活発および運動失調等がみられたことから区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(吸入:鼻腔) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(吸入:鼻腔) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた90日間吸入試験(蒸気)において、30ppm(0.225mg/l)で鼻腔の嗅上皮の変性がみられた(EU-RAR, 2005)ことから、区分2(吸入:鼻腔)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)による48h-EC50=1.3mg/L(EU-RAR, 2005)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分2であるが、急速分解性があり(OECD TG301Fでの28日分解度=75%(EU-RAR, 2005))、生物濃縮性が低いと推定される(logKow=3.9(EU-RAR, 2005))ことから、区分外とした。 |
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