名称:ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド(別名DODAC)
CAS番号:107-64-2
物質ID: | 20A2037 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 塩素を含む有機化合物で、炭素、水素以外の窒素との結合があるが、イオン結合であるので、酸化性は認められない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | 複数のラットLD50値(>2000 mg/kg、2260 mg/kg(雄)、2600 mg/kg(雌))(SIDS(Access on June, 2008), EU-RAR(2002))に基づきJIS分類基準の区分外(国連分類の区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | OECD TG 404に基づく試験で、ラットLD50 > 2000mg/kg、かつ死亡が見られなかったこと(SIDS(Access on June, 2008), EU-RAR(2002))より区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50 > 180mg/L/1h = 45mg/L/4h(ミスト)(EU-RAR(2002))に基づき区分外とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 注:テクニカルグレードは区分1 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギに4時間適用した皮膚刺激性試験において、試験物質として純品(97%)を用いた場合には全動物で軽度〜中等度の紅斑を認めたが14日以内に回復し、浮腫は観察されず24、48、72時間のドレイズの平均スコア2、1、0.3であったEU-RAR(vol.14, 2002)ことから区分2とした。 なお、テクニカルグレード(77%)を用いた場合は適用後中等度の刺激性に次いで症状が増強し、14日の観察期間後には重度の壊死が現れたEU-RAR(vol.14, 2002)ことから区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 注:テクニカルグレードは区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギ眼に適用した試験(OECD TG 405)の結果、重度の損傷と記述されている(EU-RAR(2002))ことから区分1とした。 なお、本物質のテクニカルグレード(77%)は皮膚に腐食性を示し区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験(Maximization TestとEpicutaneous Test)および136人のヒトを用いた反復感作パッチ試験のいずれの試験も陽性反応を示さず(SIDS(Access on June, 2008), EU-RAR(2002))、皮膚感作性が認められなかったことから区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 陰性結果を示すin vitroの試験データ(SIDS(2000))のみで、in vivoのデータがなく分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット経口投与による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG 421)において、高用量群で交尾までに要した日数の延長、妊娠率の低下(6/9匹)、分娩母動物数の減少(5/6匹)が見られ(NITE初期リスク評価書)、併せて同一用量で雌雄親動物に体重増加抑制、呼吸困難などの一般毒性も発現している(NITE初期リスク評価書)ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた経口および吸入による急性毒性試験において全身毒性を示す症状が見られる(SIDS(Access on June, 2008), EU-RAR(2002))が、カットオフ値を超える高用量での所見であり、ガイダンス値範囲に相当する用量での影響について記述はなく分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験が唯一有害性評価に耐え得る反復ばく露試験であった。この試験では主要な影響が副腎に現れ、500 mg/kg/dayで重量増加、肥大、表面の変色、末梢性顆粒球浸潤と一部出血も報告されている(EU-RAR(2002))。そして一段階下の用量100 mg/kg/dayがNOAELであった。ばく露期間を28日間に換算したガイダンス値区分2範囲の上限が321 mg/kg/day(100×90÷28)となり、NOAELと発現用量の間に入るためカットオフ値での影響は不明である。したがって、この試験データのみでは分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=0.16 mg/L(化学物質有害性評価書, 2005)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分1とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |