名称:無水コハク酸
CAS番号:108-30-5
物質ID: | 20A2039 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に自己反応性及び爆発性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット(雌)LD50=1510mg/kg、ラット(雄)LD50=2160mg/kg(NTP TR373(1990))と雌雄のデータがあり、低い雌の値を採用し区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 皮膚を刺激すると記述されている(HSDB(2006))が、データ不足。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの眼に適用18-24時間後角膜の75%に壊死を起こし、グレード8(最高値10)の評価(NTP TR373(1990))より区分1とした。なお、EUではXi; R36/37に分類されている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 皮下注射後21日目にIgG抗体を測定する試験で低レベルでの抗体生成が認められた(HSDB(2006))という記載があるが、データ不足。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞in vivo 変異原性試験(ラットの骨髄細胞を使用した染色体異常試験)で陰性(NTP TR373(1990))の記載より区分外とした。なお、in vitroではエームズテスト、染色体異常試験(チャイニーズハムスターの卵巣細胞、肺細胞、肺線維芽細胞)、マウスリンパ腫細胞 L5178Y を用いた試験でいずれも陰性結果が報告されている(NTP TR373(1990))。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラット及びマウスを使用した2年間経口投与試験でいずれも発がん性の証拠は得られず(NTP TR373(1990))、また、IARCによりグループ3に分類されていることから区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスで妊娠8-10日に50mg/kgの腹腔注射投与すると生存仔の23%に分岐肋骨、胸椎癒合、口蓋裂が見られた(NTP TR373(1990))。マウスの妊娠11-13日に腹腔注射投与後25mmol/kgで胎児の欠損に有意な増加が見られた。腹腔注射投与によりマウスの急性毒性値に近いで用量で奇形が誘発される(NTP TR373(1990))との記載があるが、腹腔内投与のデータしかなく、データ不足で分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスに13週間あるいは2年間反復経口投与した試験が実施されている(NTP TR373(1990))。13週間投与ではラット、マウスとも高用量で死亡が発生したが、それ以下の用量(ラット100 mg/kg/day、マウス150 mg/kg/day)では平均体重の低値と局所影響と見られるマウス雄での胃の炎症を除き、一般状態、剖検および病理組織学的検査において試験物質投与による特記すべき所見は見られない(NTP TR373(1990))。さらに2年間投与試験の最高用量はラットで100 mg/kg/day、マウスで75(雄)〜150(雌)mg/kg/dayであり、これらの用量で平均体重が低値を示したものの生存率は対照群と変わらないかむしろマウス雄では有意に増加した。また、病理組織学的に腫瘍性病変および非腫瘍性病変とも投与に関連する発生頻度の増加は述べられていない(NTP TR373(1990))。以上の結果から、ラットおよびマウスに13週あるは2年間反復経口ばく露の結果、いずれの試験においてもガイダンス値範囲の上限に匹敵する用量で重大な毒性影響が観察されていないことから区分外に該当するが、他経路でのデータがなくデータ不足で分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 本物質のデータは無いが、本物質は水中で速やかに加水分解してコハク酸を生成すると考えられる。コハク酸(CAS 110-15-6)による甲殻類(オオミジンコ)での48h-EC50=374.2mg/L(HSDB, 2005)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性分類が区分外であり、難水溶性ではない(水溶解度=23.76g/L(PHYSPROP Database, 2008))ことから、区分外とした。 |
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