名称:2,4-ジクロロフェノール
CAS番号:120-83-2
物質ID: | 20A2049 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が>500℃(ホンメル(1996))より、70℃を超えている。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体に適した試験法がない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず酸素と塩素を含むが、これらの元素が、炭素、水素にだけ化学結合している有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値は、580 mg/kg、4000 mg/kg、2830mg/kg(EHC 93(1989), NTP TR353(1989))の3つあり、その内2つが区分外に該当しすることからJIS分類基準の区分外とした(国連分類基準の区分5)。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50 = 780mg/kg [OECDガイドライン402](IUCLID(2000))に基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50 = 0.97mg/L/4h [OECD TG 403類似プロトコール](IUCLID(2000))に基づき区分3とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた急性経皮毒性試験(OECD Guide-line 402)で壊死に至る重度の刺激性を生じ、2週間の観察期間後に低用量では皮膚病変の回復が僅かに見られたが、高用量ではほとんど回復していなかった(IUCLID(2000))。この結果に加え、EUによりR34(熱傷を起こす)に分類されていることから区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
皮膚腐食性物質に相当し、EUによりR34(熱傷を起こす)に分類されていることから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いた小核試験(in vivo変異原性試験)の陰性結果(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。その他にはマウスを用いた姉妹染色分体交換試験(in vivo 遺伝毒性試験)で陰性(IUCLID(2000))であった。なお、in vitro試験ではAmes TestおよびCHO細胞を用いた染色体異常試験が陰性(NTP(Data Base)(access on 7,2008))の一方、マウスリンパ腫L5178Y細胞を用いた突然変異試験では陽性(NTP(Data Base)(access on 7,2008))を示し、相反する結果となっている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用いた2年間経口ばく露による発がん性試験において高用量群で体重低下があり、対照群を含め群間の生存率に有意な差はなく、両動物種とも試験物質のばく露に関連する腫瘍発生頻度の増加は認められず(NTP TR353(1989)、発がん性の証拠は得られなかったと結論されている(NTP TR353(1989)ことから区分外とした。なお、IARCによりポリクロロフェノールの複合ばく露あるいはそれらのナトリウム塩がヒトに対し発がんの恐れがあるとされ、グループ2Bに分類されているが、当該物質に関しては実験動物で発がん性のないことを示す証拠があると記述されている(IARC 71(1999))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラット雌に90日間混水投与後に無投与の雄と交配し、さらに分娩まで投与した生殖試験の高用量群で同腹産仔数が減少したが、母体毒性の二次的影響かどうか不明であり(IARC 71(1999))、また、生殖能に影響がないように思われたとも述べられている(NTP TR353(1989))。同様にマウス雌雄に90日間混水投与後に交配し、妊娠期間にわたり投与した結果、受胎能に影響なく胎児毒性の証拠は見られなかったと述べられている(IUCLID(2000))。これらの2つの試験から、性機能および生殖能に対する悪影響はないと判断される。さらにラットの器官形成期に経口投与による発生毒性試験では、全用量で母体重の低下があり、骨化遅延に加え早期胚死亡が見られた(IARC 71(1999))が親動物の死亡が見られた高用量群のみでの発生のため分類の根拠としない。その他の影響はなく、したがって、仔の発生に及ぼす悪影響は認められなかった。以上の結果から、当該物質は性機能および生殖能、さらに仔の発生に対する悪影響が認められなかったので区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H370: 臓器の障害(中枢神経系) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスの経口急性毒性試験(Similar to OECD Guideline 401)において、LD50値は1276〜1352 mg/kg(ガイダンス値の区分2相当)で全動物が運動失調、正向反射の消失、振戦、流涎などの症状を呈し、中枢神経障害とされた記述(IUCLID(2000))がある。また、ラットの経皮急性毒性試験(OECD Guide-line 402)のガイダンス値の区分1に相当する300 mg/kg以上で、著しい自動運動の低下と呼吸障害が見られ、9日後も症状が持続していたとの記述(IUCLID(2000))に基づき「区分1(中枢神経系)」とした。さらに、ラットの吸入ばく露試験(Similar to OECD Guideline 403)では、非致死用量で眼の刺激に加え鼻粘膜の刺激があり、24時間後には消失したとの記載(IUCLID(2000))により「区分3(気道刺激性)」とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用いた13週間反復経口投与試験が実施され(NTP TR353(1989))、ラットの主な所見として10000 ppm(1000 mg/kg/day)以上で骨髄萎縮が見られたが、5000 ppm(500 mg/kg/day)以下では発生せず重大な毒性影響もなかったとされている(NTP TR353(1989))。マウスでは顕著な所見として、雄のみに用量に相関した肝細胞壊死の発生頻度の増加があったが、2500-10000 ppm(400-1300 mg/kg/day)では病変の程度は軽微であったされている(NTP TR353(1989)。このことからガイダンス値範囲に相当する用量では、重大な毒性発現を示さないものと推定される。その他いずれも経口ばく露による試験であるが、ラットに120〜440 mg/kg/dayまたはマウスに430〜1300 mg/kg/dayの2年間反復ばく露により両動物種とも重大な変化は認められていない(NTP TR353(1989))。また、マウスに6ヵ月、および90日間ばく露した各試験は、それぞれ230 mg/kg/dayおよび40〜491 mg/kg/dayで重大な毒性影響を示さなかったしている(NTP TR353(1989))。上記の6試験がいずれもガイダンス値範囲に相当する用量では重大な毒性影響を示さないことから区分外(経口)に該当するが、他経路でのデータがないことからデータ不足で分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50が1.4 mg/L(SIDS, 2006)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性が無い(難分解性、BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ, 1982))ことから区分2とした。 |
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