GHS分類結果

名称:アセチルアセトン
CAS番号:123-54-6

結果:
物質ID: 20A2050
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点が≧23℃かつ≦60℃である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が350℃(Ullmanns(E)(6th, 2003))であり、が70℃を超えている。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
分類に採用したラット LD50値(760, 1050, 890, 1410, 970(以上雄)、570(雌)、800, 1000, 55 mg/kg bw)(SIDS(Access on June, 2008)、PATTY(5th, 2001))の中、雌雄を含む8個のデータが区分4に該当し、1個が区分3に該当したことから区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険 H311: 皮膚に接触すると有毒 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウサギ LD50値(1370(雄)、790(雌)、4870mg/kg bw)(SIDS(Access on June, 2008))より、値の低い雌のデータに基づき区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50 = 1224 ppm/4Hに基づき「区分3」とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギ皮膚に4時間適用したDraize testにおいて、軽度の紅斑と軽度〜中等度の浮腫が認められ、24、48および72時間での紅斑または浮腫の平均スコアがいずれも1.5未満、かつ、7日後には軽度の落屑を除き症状が消失した(SIDS(2003))ことから区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いたDraize testにおいて、適用後角膜混濁はなく、軽度の結膜発赤、軽度〜中等度の結膜浮腫と分泌物、軽度の虹彩炎が認められたが、24時間後には全て回復した(SIDS(Access on June, 2008))ことから区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - ヒトのパッチテストおよびモルモットを用いた皮膚感作性試験が実施されている(SIDS(Access on June, 2008))が、いずれも結果が曖昧なため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 体細胞in vivo変異原性試験(マウスの骨髄細胞を用いた吸入ばく露による小核試験、ラットの骨髄細胞を用いた腹腔内あるいは吸入ばく露による小核試験、マウスおよびラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験)および生殖細胞in vivo変異原性試験(マウスの精原細胞を用いた染色体異常試験)での陰性結果に基づき区分外とした(SIDS(Access on June, 2008)。一方、マウスを用いた優性致死試験では軽微な影響がみられたが、対象群の値が極めて低いことに起因したものと考えられている。in vivo変異原性試験では、Ames試験においてサルモネラTA104で弱陽性を示した以外は、CHO細胞を用いる突然変異試験では陰性、染色体異常試験ではS9存在下で陽性であった(いずれもSIDS(Access on June, 2008))。なお、マウスの腹腔内投与後の末梢血を用いた小核試験において陽性結果が得られているが、専門家の判断により、妥当なものとはされなかった(専門家判断)。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 妊娠ラットの器官形成期に吸入ばく露した試験において、高用量(400 ppm)で母動物の体重増加抑制に加え胎児の重量低下と骨化遅延が見られたが、受胎および発生に関する指標に影響なく、外表、内臓および骨格奇形のみならず部位別変異の発生頻度も対照群を含む群間で差はなかった(SIDS(Access on June, 2008))。しかしながら、交配前からのばく露による親動物の性機能および生殖能に対する影響に関してはデータ不十分であり分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにばく露後の症状として、経口では485 mg/kg以上LD50付近の用量で振戦、不安定歩行、昏睡、麻酔など、吸入ばく露では2.619 mg/L以上LC50付近の用量で振戦、運動失調、自動運動の低下、尾部ツマミ反射の消失と正向反射の低下などが記述され(SIDS(Access on June, 2008))、さらにウサギに経皮ばく露した場合にも790 - 1370 mg/kgで麻酔、昏睡などの記載がある(SIDS(Access on June, 2008))。また、ヒトの吸入ばく露の症状でも眩暈や意識喪失などが報告されている(SIDS(Access on June, 2008))。動物とヒトで共通したこれらの症状に基づき区分3(麻酔作用)とした。一方、ラットの吸入ばく露により努力呼吸、流涙、眼および鼻周囲の痂皮形成が見られ(SIDS(Access on June, 2008))、ヒトでは気道に刺激性があると記述(HSDB(2007))により区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(中枢神経系、胸腺) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(中枢神経系、胸腺) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた2週間(10〜11回)反復経口ばく露試験において、500 mg/kg/dayまたはそれ以上の用量で死亡、呼吸困難、振戦、運動失調などの症状発現と共に加え、胸腺の壊死、腸間膜リンパ節のリンパ節炎が観察された。ラットに吸入あるいは経皮ばく露した試験でも高用量で同様な所見が報告され、さらに病理組織学的変化として脳の神経変性と胸腺のリンパ性変性が記述されていることから、2週間経口ばく露による一般症状の発現は中枢神経系への影響と考えられる。経口ばく露の500 mg/kg/day(90日補正76.9 mg/kg/day)はガイダンス値区分2の範囲に相当しており、胸腺のリンパ性変性の所見と合わせ「区分2(中枢神経系、胸腺)」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=34.4 mg/L(SIDS, 2001)から区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(良分解性、BODによる分解度:83%(既存点検, 1991))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.4(SRC, 2005))ことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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