名称:メタ‐ジクロロベンゼン
CAS番号:541-73-1
物質ID: | 20A2056 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点(63-72℃)が 60℃超、93℃以下である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性および自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点(640℃)が70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素を含まず、塩素を含んでいるが炭素のみと結合している有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:580、1200 mg/kg(雄)、1000、2300 mg/kg(雌)(環境省リスク評価第6巻, 2008)より、低い雄の値に基づき区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLD50: >2000 mg/kg(環境省リスク評価第6巻, 2008)のみで、データ不足により分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50: >17.6 mg/L および 10.8 mg/L(10.8 mg/L=1793ppm)(環境省リスク評価第6巻(2008))のうち低い値のLC50より区分3とした。なお、ラットLC50=10.8 mg/L(4時間換算値)は飽和蒸気圧濃度= 2832 ppm = 17.0 mg/Lより蒸気の状態であると判断。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギ皮膚に24時間適用したパッチテストにおいて、「強度の刺激性(Marked irritation)」と評価された結果(DFGOT vol. 1(1991))から区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験において、軽度〜重度(mild to marked)の結膜浮腫および軽度(slight)の角膜混濁と記述された結果(DFGOT vol. 1(1991), IUCLID(2000), BUA No. 8(1987))に基づき区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 経口投与によるチャイニーズハムスター骨髄染色体異常試験(OECDテストガイドライン、GLP)において 陰性(BUA Report(1994)であったことから区分外とした。なお、腹腔内投与によるマウス骨髄小核試験における 陽性報告があるが(環境省リスク評価第6巻(Access on May 2008))その重みは低いものと判断された。また、微生物を用いたin vitro変異原性試験では陰性であった。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | メタ異性体の発がん性に関して、ヒトおよび動物のデータは得られていないが、IARCの評価(1999)によりグループ3に分類されていることから区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 妊娠ラットの器官形成期に経口ばく露により、胎児毒性あるいは催奇形性など仔の発生における悪影響は認められなかった(DFGOT vol.1(1991)、環境省リスク評価第6巻(2008),)が、交配前からのばく露による親動物の性機能および生殖能に関してはデータ不足であり分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(肝臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスに300 mg/kg単回経口投与により、有意な肝重量増加と血清ALT増加、広汎な肝細胞壊死を起こし肝障害を示したこと(IARC vol.73(1999))から区分1(肝臓)とした。なお、20℃の飽和蒸気(2000ppm以上)に7時間ばく露した全ての動物で過敏、呼吸数の増加、不正呼吸、反射低下、震え、平衡感覚失調(DFGOT(1991))が認められるが神経系とするにはデータ不足である。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに反復経口投与により、90日間の投与では147 mg/kg/day以上で肝重量増加と肝細胞の変性、588 mg/kg/dayでは肝細胞壊死が高率に発現し、9 mg/kg/day以上からGOTおよびコレステロールの上昇として肝機能検査値の変化が認められている(環境省リスク評価第6巻(2008))。10日間の投与では147 mg/kg/day(90日補正用量16.3 mg/kg/day)以上で軽度の散発的肝細胞壊死、さらに368 mg/kg/day(90日補正用量40.9 mg/kg/day)以上になると肝細胞の変性が高率に見られたと記述されている(環境省リスク評価第6巻(2008))。また、28日間の投与でも100 mg/kg/dai(90日補正用量31.1 mg/kg/day)以上で肝重量増加と肝酵素の誘導が見られ、さらに500 mg/kg/day(90日補正用量155.5 mg/kg/day)でのトランスアミナーゼの上昇と肝細胞肥大により肝毒性が示唆された(BUA No. 133(1994))。これらの結果から、ガイダンス値範囲区分2に相当する用量で肝障害の徴候が明らかであることから区分2(肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 1.2 mg/L(環境省リスク評価第6巻, 2008)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1983))ことから、区分2とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |