名称:亜鉛
CAS番号:7440-66-6
物質ID: | 20A2067 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 粉塵、ダストはUN1436に該当し、IMDGCに「easily ignited, causing explosion」と記載されている。粒子サイズ、形状等が結果に影響するので、国連文書2.7.2.4.注記に従い、所定の試験をして区分判定すべきである。ブロック状態の亜鉛は区分外と考えられる。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が460℃(ICSC(1994), ICSC(J)(1994))で、70℃以上である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 粉塵、ダストはUN1436に該当し、IMDGCに「easily ignited, causing explosion」と記載されている。粒子サイズ、形状等が結果に影響するので、国連文書2.7.2.4.注記に従い、所定の試験をして区分判定すべきである。ブロック状態の亜鉛は区分外と考えられる。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 粉塵、ダストはUN1436に該当し、IMDGCに「easily ignited, causing explosion」と記載されている。粒子サイズ、形状等が結果に影響するので、国連文書2.7.2.4.注記に従い、所定の試験をして区分判定すべきである。ブロック状態の亜鉛は区分外と考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない無機物質である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない無機物質である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点419.5℃(Merck(2006), 混触危険Hb(第2版, 1997))であり、55℃以上の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 >2000mg/kg(OECDガイドライン401, NITE初期リスク評価書(2007))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLC50値 >5410mg/m3(OECDガイドライン403, NITE初期リスク評価書(2007))に基づき区分外とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | 金属亜鉛のデータは得られないが、酸化亜鉛による影響と同程度であると記載がある。酸化亜鉛による皮膚刺激性はない(EU-RAR(2004))ことから、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた試験において、結膜の発赤、浮腫などの軽度の刺激性(NITE初期リスク評価書, 2007)がみられたことから、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | 金属亜鉛のデータは得られないが、酸化亜鉛による影響と同程度であると記載がある。酸化亜鉛による皮膚刺激性はない(EU-RAR(2004))ことから、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 国際機関(ACGIH(2005)), IARC(2005), EPA(2005), NTP(2005))では、発がん性を明確に示す疫学的報告が得られないことから亜鉛およびその化合物の発がん性を評価していない(NITE初期リスク評価書(2007))。したがって、データ不足で分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 金属亜鉛のデータがないため、データ不足で分類できないとした。亜鉛は必須微量元素であるため欠乏症および過剰症などの生理的機能障害(皮膚炎や味覚障害、下痢等、貧血等)が誘引される。ヒトにおいて、血中の亜鉛濃度の減少による妊娠合併症の顕著な増加、出生児の低体重などの事例がある(NITE初期リスク評価書(2007))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた試験において立毛、下痢、呼吸数の減少、眼瞼まひなど軽度の症状はみられたが、濃度が不明である(NITE初期リスク評価書, 2007)。ヒトにおいて亜鉛ヒュームによる肺、呼吸困難、乾性咳、ヒューム熱等の症状が見られる(EHC(No.221, 2001))が、亜鉛ヒュームは金属亜鉛ではなく大部分が酸化亜鉛として存在する(EU-RAR(2004))ため、これらの症状は酸化亜鉛に起因するものと示唆される。したがって、データ不足により分類できないとした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ヒトにおいて、124mg/m3/50M暴露では咳、呼吸困難(肺、胸部への影響)、2.4mg/m3/5Y暴露では正球性貧血(normocytic anemia)、ビリルビン、コレステロールへの影響、70mg/kg/10W暴露では血液学的変化および酵素阻害がみられる(RTECS(2008))との記載がある。得られた情報からは症状の程度がわからないため、データ不足で分類できないとした。また、亜鉛は必須微量元素であるため欠乏症および過剰症などの生理的機能障害(皮膚炎や味覚障害、下痢等、貧血等)が誘引される(NITE初期リスク評価書(2007))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)での72h-ErC50=0.15mg/L(EHC 221 2001)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
金属であることから、急速分解性はないと判断され、急性分類が区分1であることから、区分1とした。 |
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2016/10/31 水生環境有害性(長期間)分類根拠・問題点 修正
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