GHS分類結果

名称:ヨード酢酸
CAS番号:64-69-7

結果:
物質ID: 20A2073
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素および塩素を含まず酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスLD50 = 83mg/kg(HSDB(2003))およびEU分類 R25(EU Annex I(access on 7.2008))に基づき区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分2 危険 H310: 皮膚に接触すると生命に危険 P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットLD50=125mg/kg(RTECS(2008):National Technical Information Service.(Springfield, VA 22161)Formerly U.S. Clearinghouse for Scientific & Technical Information. OTS0571891)から区分2とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 常温で固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで重度の水疱性の接触性皮膚炎を起こした2例の症例報告があり(HSDB(2003))、EU分類 R35(EU Annex I(access on 7.2008))およびpH = 1.4(20℃, 50g/L)(GESTIS(access on 7.2008))に基づき区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ヒトでは眼と粘膜に強い刺激性があり(HSDB(2003))、EU分類 R35(EU Annex I(access on 7.2008))およびpH = 1.4(20℃, 50g/L)(GESTIS(access on 7.2008))に基づき区分1とした。なお、皮膚に対しても腐食性物質として区分している。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 弱陽性を示したAmes試験の結果(NTP DB(access on 7.2008))のみでその他にデータなし。
6 発がん性 分類できない - - - - ラットに596日間皮下投与した試験で線維腫、繊維肉腫、及び形質細胞肉腫が各1例発生したとの報告(HSDB(2003))の他にデータがなく分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - マウスの非経口投与で肋骨と椎骨の欠損、口蓋裂 が報告されている(Birth Defects(3rd,2000))が、比較的古いデータ(1959、1973年)であり、具体的な投与経路、用量など不明で情報が少なく分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(眼) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(眼) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで局所への直接ばく露のみならず全身的ばく露でも、角膜、虹彩、水晶体、毛様体、網膜と眼のあらゆる部位に毒性を示すと記述されている(HSDB(2003))。また、ウサギ、ネコ、ラットに静脈内投与した場合も、水晶体、虹彩、網膜など眼の各部位への影響に加え、白内障の誘発が確認されている(HSDB(2003))。以上より、ヒトで全身ばく露による眼への悪影響がList 2の文書に記述されていることから区分2(眼)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(全身毒性) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(全身毒性) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで通常使用のばく露が死亡または永続的障害を起こし得ると記述され(HSDB(2003))、またラットでは50-70 mg/kg/dayを10〜40日間の経口ばく露が致死的であったと報告されている(HSDB(2003))。List. 2の文書に掲載されたこれらのヒトおよびラットのデータは、いずれも死亡のみの所見で標的臓器を特定できないので区分2(全身毒性)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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